えれべーたー
えれべーたー
B子が住むマンションには少し古いエレベーターが付いている。
マンションについているには少し大きなエレベーターが。
最近よく故障の張り紙が張られているような、そんなエレベーターだ。
故障と言っても、エレベーター内部の蛍光灯がよく付かなくなる、そう言った物だ。
蛍光灯を変えてもすぐ蛍光灯がダメになってしまうとの話だ。
B子はまだその場面に遭遇したことないが、乗っているとパチンと蛍光灯が急に切れるのだとか。
確かに何度かエレベーター内部の電気が落ちているところを見たことがある。
古いエレベーターなのでエレベーター自体がもうダメなのでは、という話もあるが費用が結構かかるとの話だ。
それにエレベーターの定期点検自体では特に不備は発見されてないとのことだ。
ただ夜真っ暗なエレベーターに乗るのは少し怖い。
B子はそう言った時は、階段を使っていた。
B子が仕事帰りにマンションのエレベーターを使っていた時、B子は自室がある七階を押していたが、四階でエレベーターが止まりドアが開いた。
しばらく待つが誰も乗ってこない。
B子はエレベーターから顔を出して辺りを伺う。
誰もいない。
B子は閉じるのボタンを押して七階へと上がっていった。
そんなことが数回起こった。
必ずではないか、何度か誰もいない四階で止まることはあった。
B子はそのことを管理人に言うと、他にもそう言う報告を受けているという話だ。
そして、この間の点検でも何もなかったのに、とのことだ。
本格的にエレベーターの寿命が来たのでは、とB子は考える。
自分が払うわけではないが費用が掛かるし、工事期間中は階段を使わなければならない。
だから、管理人はその情報だけ言って、エレベーターについての文句は直接口には出さなかった。
それからしばらくして、B子が夜帰宅時に、エレベーターに乗っているとやはり四階でエレベーターが止まる。
そして、エレベーターのドアが開く。
その瞬間、パチンと音がしてエレベーターの蛍光灯が消える。
ただエレベーターのボタンや回数表示のランプはついているので、噂通りエレベーターの照明の電気だけが消えたのはすぐに分かった。
流石にB子も驚き、恐怖する。
夜に、誰もいない四階に止まり、そしてその瞬間電気迄消えたのだから。
B子は外を確認せずに、閉まるボタンを連打する。
エレベーターのドアが閉まりはじめる。
B子は、エレベーターのドアが閉まり切りホッと安心をする。
その瞬間、エレベーターのドアの硝子の部分に、ドンッと音を立てて手が張り付いた。
B子は余りにも驚いて悲鳴を上げ、エレベーターが七階に着くのと同時に自分の部屋へと駆け込んでいった。
あの手が生きた人間のものだったのか、それ以外のものだったのか、B子にはわからない。
ただB子はそれ以来、夜は階段を使うことにした。
それだけの話だ。
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