桃太郎part3

Grisly

桃太郎part3

鬼を退治した桃太郎は、一躍スターに。


鬼はそこら中に存在する。

全国から鬼退治の依頼が殺到し、

忙しい毎日を送っていた。


桃太郎、猿、雉、犬から成る、最強チーム。

鬼を倒せるのは彼等だけだった。

当然、ギャラも高額になっていく。



お爺さんとお婆さんもまた潤っていた。

鬼を退治した桃太郎を育てたと言うことで、

各種メディアに引っ張りだこ。


少しでもあやかろうと

吉備団子を買い求める者達が後を絶たない。

老夫婦は工場を建て、

吉備団子を売りまくった。


もちろん、裏ビジネスとして、

力の出る特殊な吉備団子は、

秘密裏に、闇ルートで流していたが…



この一家、今となっては

ロイヤルファミリーと言っても良いだろう。

プール付きの豪邸を建て、使用人を雇い、

葉巻や、他の様々な物も吸い…




しかし、彼等の繁栄は

突如として終わりを迎える。


時代の変化とは恐ろしい物である。

独占を維持することは難しい。


どんなに良い物でも、必ず誰かが真似し、

あるいはそれ以上のものを作り上げ、

取って代わっていくのだ。

人類の歴史。


不自然に、

独占を続けているものがあるとすれば、

それは抑圧によるものなのだ。




今回も例外なく、

それが襲って来たと言える。


すなわち、個人が豆を持つようになり、

特別な能力や、チームが存在せずとも、

容易に鬼を打ち払えるようになった今日…





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

桃太郎part3 Grisly @grisly

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ