第13話 惹かれ逢う心の想い
幾年もの間、人々の暮らしを見守り平和な世の中を願ってきた姉妹。そんな二人は邪霊を滅する
寂しいと思う感情はなかったらしいが、邪霊を滅し続ければ心折れそうになる日もあるだろう。けれど、人々を守るのが
このように、心など持たず機械の
――そんな時だった。
ふらりと神社へ立ち寄る一人の青年。
何とも驚いた状況に、姉妹は唖然とした様子で言葉を失った。すると――、青年は囁くように二人へ寄り添い、そっと身体を包み込む。そこから伝わる様々な想いは、今までに感じたことがない心情。
発せられた
触れ合う掌からは光のような温もり。
ほんのりと浮かべる微笑みは
初めて胸に感じる不思議な
そんな二人から窺えたのは、安らぎに満ちた穏やかな顔つき。さながらその光景は、天へと帰る魂の
姉妹を見つめる青年は、場の雰囲気からそう思ったのだろう。再び双方の掌で柔らかく包み込むと、
「こん。
「ごん。
過去を想い馳せる
けれども、友と呼べる存在にだけは全てを聞いて欲しい。そんな素振りを見せる姉は、頭を下げながら想いを言葉に込めた。
「僕のほうこそ、君達には感謝してるんだよ。何でも話せる友達って、中々いないからね」
「こん。
「ごん。
丁寧な様子で御礼を伝える
「そうだね、
「こん。
「ごん。そんなに寂しいなら、私が慰めてやってもいいぞ」
「うん。心配してくれて、本当にありがとう。でもね、気にしなくても大丈夫。いまの僕には君達がいるからね。それだけで十分に癒されているよ」
同じように姉妹との出会いを
「それにしても、いま思えば懐かしいね。君達を初めて見た時は、二度見したぐらい凄く驚いたんだよ。だってね、猫のような耳はあるし、犬のような
動物の衣装を身に纏い、
明らかに神社へ立ち寄るには風変わりな格好。であるならば、他の参拝客はどう感じているのだろう。周辺を見渡し窺ってみると、どうやら人々に姉妹は見えていない様子。
狐の
このように判断した
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