第13話 温泉はいい効果の塊

「はあぁぁ」


 あれから二週間。1人も来ない……。露天風呂とかに関しては、ライに頼んで10分に一度とかクリーンをかけてもらっている。かわったところは、 一つ大きな部屋があるから、そこをルーちゃんのお部屋になっている簡単に表すと、部屋の右角に大きなキャットタワー。右の壁には、ルーちゃんが登れるように板を階段のように板を付けた。そして、そこには猫じゃらしや、ブラシ、それからおやつが保管されている。あと変わったところといえば、ルーちゃん用の温泉を造ったくらい。いっつも「満足しました」って顔で、ルーちゃんが温泉から出てくる。(さすが由衣の飼い猫)そこをマギアで、しっかり乾かす感じだ。あと、ドライヤー設備するの忘れていたから設備したら、電気流さずに使えるようになってた。……どんな力で動いているの?


 そして、現在一話目の冒頭に至る。うーん、やっぱみんなダンジョンとかで忙しいのかなー?


 ……久しぶりにダンジョン行こうかな?


 シャラリン、リャラリン


 あ、誰か来た!


「いらっしゃいま……イアさん!」


「お久しぶりですね。調子はどうですか?」


「めっちゃ駄目です……。一人も来ませんでした……」


「なら、私が一番乗りなのね」


「そうですね! イアさんが一番乗りです!」


「えーと、靴ってどこに置けば……」


「あ、今から使い方説明します!」


 そして、ロッカーの使い方をイアさんに教えた。


「なるほど、こうやって使うのね」


「あとは、脱衣所に行って、ロッカーがあるので、そこでロッカーに脱いだ服を入れたり、荷物を入れたりしてください」


「……」


 脱衣所から室内温泉へと移動する。ちなみに、この脱衣所と温泉の間に水分補給するところがある。

 イアさんが室内温泉をみて驚きの悲鳴をあげた。


「これがオンセン? とってもシュワシュワしてるわね」


「それは炭酸泉っていう温泉です」


「温泉は色んな種類があるのかしら?」


「本当は10種類以上あるのですが、そんなに設備するとたくさんの人が迷ってしまうので、5,000人を達成するまで、この7種類のみにしています」


「そうですか…」


 イアさんは、まずお湯を体にかける。


「あたたかい!」


 そして温泉に入る。

 シュワっと炭酸泉が、イアさんを温める。ぱちぱちと炭酸が、水面ではじけている。その音が、耳をくすぐる。



「あたたかーい。とってもきもちいわ!」


「これが温泉の醍醐味です!」


「……あの部屋は?」


「サウナです! しばらくの間あの中に入り、熱くなった体を水風呂で冷ました後、外気浴をする。このセットを繰り返すことで、自律神経が整えることができます!」


「そうなのね、ちょっとやってみようかしら?」


「わかりました。中に入って待っていてください」


「? わかりました」


 イアさんが中に入った後、私は水風呂から水を柄杓1杯分とって、リラックス効果のあるアロマの香りのするエキスを1滴入れる。そして、サウナの中にある熱々の石にキーンと冷たい水をかける。


 ジュワァー


 水が焼き石で蒸発して、周りの空気は蒸し熱くなった。それと同時にアロマのいい香りが立ち込める。


「一気に熱が上がってきたわ。それといい香りがするわね。リラックスするわ」


 5分後


「5分経ったので、アウフグースを開始しまーす!」


 アウフグースとは、サウナに入っている人に、風を送るサービスのことを言う。

 手に持っているタオルでイアさんに風を送る。


 バサッ、バサッ


「熱い! アウフグースが熱すぎていたい!」


 サウナ初心者あるある。初めてのアウフグースが、熱さを超えていたい。


「あ、ごめんなさい。……じゃあ、水風呂に入ります?」


「入るわ……」


 サウナから出ると、イアさんは水風呂へ一直線に向かった。そして、水をかけた後にゆっくり入る。


「うー! 冷たい! 気持ちい! でも冷たすぎてあまり長く入っていられない」


 10秒するとイアさんが水風呂から出る。


「次って……?」


「外気浴ですね! こちらです!」


 私は、室外に置いてある寝ころべる椅子のところに案内する。


「しばらくここに寝っ転がってみてください!」


「ここに寝っ転がればいいのね」


 

 10分後……


「ZZZ ……」


 イアさん……サウナが気持ちよすぎて眠っちゃった。

 私はイアさんに、サウナの中に少しの間入れた、温かいバスタオルをかける。あんま風邪をひかないように。


 5分後


「あら、私、寝ちゃっていたのね」


「おはようございます! 普通にサウナやったら私も寝ちゃったときあるんですよ! 母に起こされましたけど、さらにこのサウナは、リラックス効果のあるアロマのエキスが使用されていたので、余計眠くなっちゃったかもしれません。でもそのくらいイアさんが、リラックスできてたってことです!」


「そうね……。また寝ちゃったら困るから、いったんほかの温泉を楽しむわ」


「分かりました!」


「これはどんな温泉かしら?」


「含鉄泉ですね! これは鉄分が含まれている温泉で、貧血貧血に効果があるといわれています!」


「貧血に効果があるのね! 最近貧血気味だから、入ってみるわ」


 トプン


 茶色く濁ったお湯が、イアさんを包み込んでいく。そして、ゆっくり、じんわりと、お湯に含まれている鉄が、イアさんの肌から体内へと入っていく。


「とてもいいわね」


 入っている間にほかの温泉について軽く説明をする。説明をしている間に上空を飛んでいるモンスターのうぐいずのようなかわいらしいさえずりが、あたりに響く。

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