第30話ヤモリ切開の儀式

 宮本万吉は生まれつき身体が虚弱体質で、小児喘息を患っていた。


 もう高校へ上がる頃には、発作も出なく為っていた。

 

 幼少の頃・・・。


「万きっちゃん何しているの?


 隣家の姉さんが覗き込んだところ固まったのだよねえ・・・。


 やもりを仰向けにして鋭利な石で腹を裂いていたからだよ!


(残酷やないの!?止めなさい!)


震えた声で窘めていたがねえ・・・「やもりは悪い奴やお父ちゃんが言っていた!」


 と、僕は一向に言う事を聴こうともせず、儀式を続けたんだあ・・・。

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