第23話縛られた紫帆

起き上がろうと身を捩ったが、両手を後ろで縛られていた!

 しかも上着を剥がされ下着姿だった!

体温調整が出来る様に毛布を掛けていたが、意識が判然とするまで気付かなかった。何という事を!

「キャプテン!宮本さん!」

力一杯助けを呼んだが一向に事態は回復しなかった。

 もう外は真っ暗で、店の中はひんやりとした空気に包まれて居た。

「ダ~ズ~ゲ、デ。」どのくらいの時間を叫び続けたのだろう・・・。

 もう・・・声が・・・出ない・・・。

意識が朦朧としていた。

「香月~起きなよー。」白い手が紫帆を揺り起こす。

 紫帆の頭の方から声がした。

「雅一さん!助けて私が悪かったわ!」咄嗟に夫の名を呼んだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る