第2話秘密の虫眼鏡

そう聞きながら万吉の背後に迫りヒョイと覗き見た。


ヒャッ!


 刹那!紬の眼がそれに釘付けに為り全身が凍り付いた!


 戦時中の防空壕の名残がポッカリと暗い口を開けていた。


 万吉はその防空壕の口の前でしゃがんでいた。子供の背丈位の口の大きさだが、大人は這ってそこを出入りするしか無かった・・・。


 終戦間近の鈴蘭の丘では逃げ惑う日本住民が這って防空壕に逃げ込む姿を米兵に観られ火炎放射器で、一気に焼き殺されたという。

 

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