東西南北 題材 方向
俺は探偵のミライだ。今日、事件があった。
OL殺人事件資料と現場写真をもらった。殺害されたのは
北川レイコの周囲の評判はかなり悪く、その
いくら性格が悪くて、難があっても殺人は
すでに三人の容疑者候補が見つかったらしい。
一人目は
二人目は
三人目は
被害者が直前になって取引をキャンセルして、そこから関係がかなり悪くなったしい。どの人ももっともらしい動機がある。俺はどの人が真犯人なのか、推理を巡らす。
”被害者が残した「十字」はどういう意味があるのか”
俺が机の上で、推理をしていると助手のキナがやってきた。
「ミライさん。犯人、わかりました?」
「うーん」
キナは俺の持っていたダイイングメッセージの画像を覗き込む。キナはその画像を見て、明らかに変な顔をする。
「なんですか?これ」
「被害者が残したものだよ」
「被害者って、北川がってことですか?」
「北川レイコが残したダイイングメッセージだ。犯人候補は東山リョウコ、南川ショウコ、西山キミコだ」
「東西南北。ですね」
助手のキナは大爆笑している。確かに東西南北だが、大爆笑するのも違う気がした。非常識に思えて、俺は咳をする。
俺が今思ったのは、「十字」で「反」と書かれているということは、北川の「北」の反対側、つまり東西南北の「十字」の「北」の反対が「南」。
だから、南川ショウコじゃないかと思っている。でも、それはそれで至極単純だ。
決定的なそれを言おうか迷っていると、キナが口を開く。
「東西南北の十字の反対って。それって被害者の北川の北の反対側じゃないですか?だから南。南川ショウコじゃないですか?」
「そんなの解っている。今さっき言おうとしていたんだよ」
「そうですかぁ」
キナの嫌なところは助手のくせに結構、俺を馬鹿にしているように見えるときがある。キナはそんなつもりがないのだろうけれど。
「でも、それだと単純だろう。何か他の手がかりと決定的なものがないとダメ」
「それも。そうですね」
「ダイイングメッセージがそうだからってとは限らないだろう」
「ですよね。じゃあ、犯人自身もそれに気づいてもみ消しますよね」
「だな」
俺は再び、犯人候補たちの情報を見る。誰が犯人か。しばらくすると、探偵事務所の電話がなる。
「出てくれ」
「はい」
キナが電話に出る。何を話しているかはわからないが。キナの反応からして、事件のことだろう。
電話を終えて俺のほうを見る。
「もう、犯人がわかったそうです」
「え?」
「犯人は西山キミコだそうです。自首したそうです」
「マジで?!」
「はい。ダイイングメッセージは西山が書いたらしいです」
「ダイイングメッセージが必ずしも被害者が残したわけでないって思わないとだな」
俺は早とちりしなくてよかったと思った。けれど。探偵としての推理力がまだまだ足りないと自覚した。
了 47:34 方向
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