チート魔法使いの零 ~異世界に転移した俺、二次創作世界なんてありかよ!!~

月杜円香

第1話  これは夢だな

あれ……?ここはどこなんだ?

俺は、荒れ地の真ん中に気がつくと立っていた。周りには誰もいない。見たことのない場所だ。

……しばし考えたが、思い出せなかった。


そこに、大きな熊みたいな魔物が現れた。魔物は、俺をロックオンしたようだ。背が俺の身長の倍はある。

これは、夢かよ。俺の世界にはこんな魔物なんて絶対いないはずだぞ!!


荒れ地だ。岩と石ころと乾いた風が吹いているだけだ。

とりあえず、逃げてみた。だが意外と俊敏で、先回りされて行く手を塞がれた。


俺は、大きなため息をつく。

「なんだよ、この展開は……」


でっかい魔物は、俺に向かって大きな声で威嚇してる。

俺は、恐ろしさ全くを感じないことが不思議だった。


(こんなところで、られる)のは御免だぜ)


俺は、目についた石ころを拾うと、熊の方に投げた。明後日の方向へ。


勝てそうにない敵からからは、逃げるが勝ちなんだよ。俺のポリシーなんだよ。


魔物が石ころに気を取られているうちに、俺は、猛ダッシュで回れ右して走り出した。そりゃ、死ぬ気で。


――――????

俺?ものすごく速く走ってないか?

いや、足が地面についてる気がしないのだが……。


十分に、魔物から距離をとって、俺は確実に自分が浮いてることを確認した。


(浮くってことは、飛べるのでは?)

俺は、思った。


だって、そうだろ?浮いてるんだぜ。

俺は、上空に向かって飛び始めた。

(うん、飛べる、飛べる。……ということは……これは夢の中だな)


俺は納得して、呑気に空中散歩を楽しむことにした。


そこに「キャー!!」という若い女の子の叫び声がした。

見れば、さっきの魔物がじいさんと若い女の子を襲おうとしてるじゃないか!!


魔物は、もう襲いかかる寸前である。

俺は、咄嗟に大声で魔物に叫んでいた。


「やめろ!!」


すると不思議なことが起こった。

魔物が、突然攻撃をやめたんだ。キョロキョロと声の主を探し、やがて俺を認識した。


俺は、魔物の上に行って言ってやった。


「おい、デカイ態度してるんじゃねぇぜ。今度人を襲ったら容赦しねぇぞ」


『フガー!!』


余計に怒らせてしまったと、じいさんと娘は覚悟した。


俺は、夢の中なのでなんでも出来る気がしてた。


「てめえ!!」


俺は、魔物の上から人差し指で、指して思い切り叫んでやった。

魔物は、大きな図体が嘘のように吹き飛んだのだ。






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