不老不死が俺の思ってたのと違う ~赤ちゃんじゃねぇ!赤様って言え!……いや大人だよ!!~

@ippanjin_A

第1話 -思ってたのと違う-

初めに言っておこう。

俺は強い。

少なくとも弱くはないと胸を張って言える。

賢者と何度呼ばれたことか。

この世界なら1番強いのではないだろうか。


……しかし足りない。

この小さな星で1番なんかじゃ足りないのだ。

世界の常識から外れたやつ、そいつを倒したいのだ。


ただその目的を遂行するには、この肉体では弱すぎる。

だからこそ長年研究した、転生魔術。

そして、不老不死の力。

不老不死だけでなく、転生までするのには理由がある。

詳細は省くが、長年生きた俺の肉体の魂に、不老不死を付与するのは不可能だった。

生まれたての、不安定な魂、それに付与することで、成功率をグンとあげられる。

だから俺は、今日この日をもって、転生する。









「おぎゃああああああああああああ!!」

オギャア?

冷静な自分とは裏腹に、身体が泣き叫ぶ。


ん。


俺の体が持ち上げられる。

視界が一気に変わる。

この女性は、俺のお母さんだろうか。

そして、俺を持ち上げたのはお父さんだろうか。

どうやら、転生はうまくいったらしい。

さて、転生がうまくいったのなら、不老不死は……


ん?

……あれ?


ちょっとまて俺とんでもないことをしでかしてないか?

……あぁ。理解してしまった。

俺はとんでもないことをやらかしたということを。

何をやらかしたか、それは簡単だ。



生まれたばっかりの状態で不老不死になると成長しなくね?



あー、バカ。

本当にバカ。

どうしよう成長しない赤ちゃんとか……

……はぁーーーーーー。

これはなんとか誤魔化さなくちゃいけないな?

誤魔化さなくちゃいけないのは確定だけれども、どうやって誤魔化そうか。


……幻影魔法、かな?

できるだけ早く使えるようにならなければ。

ただなー幻影魔法はなー魔力ずっと減るからなー。

魔力をめちゃくちゃに増やさなちゃいけないからなー。


……課題は山積みだな。


はあ。まさかこんなことになるとは……

今言えることは、


「ばぁばあぶぅばぁぶぅ!(思ってたのと違う!)」

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