第8話 伝説の添い寝係

「うーん……と、仲間かー」


 俺は広場の噴水前で頭を捻った。

 スザンヌは呆れ顔でいる。


「仲間なら魔王城までならだが、この私がいるぞ。これも王の命だ。それと訓練された王国一の騎馬隊もいるぞ」

「いや、そうじゃなくてな……俺は、リスナーの……」


 すると、俺の右眼の端に垂直に細長いフィールドが現れ、ライズ国王というネームが現れた。


ライズ国王「ふむ、早速、配信とは、あっぱれである! そこでだ。そなたには、相応しい仲間を与えよう。余の添い寝係をしているメイドのリスルスだ。歳は忘れてしまったが、余が幼い頃から姿形はそのままだ。なので……」


 そう……文章が現れた。


 これは、知ってるぞ!


 コメントだ!!


 恐れ多くも、俺の配信にライズ国王がコメントをしてくれたのだ!!

 

 その時、俺の肩をチョンチョンと誰かが、おしとやかにつついた。

 振り向くと、後ろには可愛らしいメイド姿の10代の女の子がいた。


「あの。王の命で来ました……王国添い寝係のリスルスです……」

「……ああ。って、ちっがーーーう!! 俺はリアルの仲間じゃなくて、リスナーの仲間が欲しいんだーーー!! 魔王城ならなあ!! 俺はもう一回行ってるし!! 魔王も一撃で!!」

「あのー、寝る時は言ってくださいね。添い寝しますから」

「って、聞いてねええええええーーー!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る