短ZAC爺さんの正体は ?(最終章)

妖怪老人びーる男

第1話 短ZAC爺さん ブツブツ 独り言みたい

 旧友の小太りドラゴン改めカマキリオネエが合流し、飲みながらの喧々諤々の打ち合わせを終えた翌日、二人は石油ストーブをつけたままソファーの上で爆睡していた。ZAC爺さんがいつも座る机の上では、ブチのヒメにゃんがゆっくり毛づくろいしながら気持ちよさそうーに日向ぼっこしている。


 気の良いオバサン三人組は、まだ正式に紹介されていないのにも関わらず、酔っぱらっていびきまでかいてる爺さん二人の食べ残しや、そこら中に転がってる空の缶ビールを音をたてないように片付けていた。これから雇い主になる?予定の人の一面を垣間見てしまい、こりゃあ大丈夫やろか~と見つめ合い、許可されている休憩室でゴシップ話に入りかけていた。


 先に目覚めたのは、もちろん短ZAC爺さんですっかり酔いは覚めているようである。それに引き換えカマキリオネエさんはといえば、やや目の焦点があっておらず、俺は一体全体どこに連れ込まれたんだ、みたいに間抜け面していた。

 ZAC爺さん、お構いなしに自分の秘密事をはるか昔にさかのぼり、誰に聞かせるかも意図しないような口ぶりでブツブツと話し出したのであります。


「俺の親父は濁川龍之介といって、ご先祖様は江戸時代は武士の身分であったと聞いていた。それが理由かどうかはわからんけど、俺の生まれ名は濁川新之助と名付けられていた。俺はその名があまり好きじゃなかったんで、成人した後に田舎を離れた時期を見計らって、歌詠みが好きだったから❞濁川短冊❝と勝手に改名したんだ。そしてその後数年後にテレビでガンダムものが流行りだしたんで、俺が好きだったモビルスーツのザクにヒントを得て、❝濁川短ZAC❞にレベルアップさせたんだ。」

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