🍎
「へぇ、いいじゃん。あとで俺にも食べさせてよ」
「うん。美味しいの作っとく」
先輩の、声が好きだ。骨抜きにされてるなって思う。
芯をくり抜かれ、内側から熱を帯びている私はリンゴとおんなじだ。
「せんぱーい! 早くこっち来てくださーい!」
「おう! いま行くー!」
後輩の女の子に呼ばれ、先輩は振り返って手を挙げた。
「じゃ、また後でな」
声だけを残して、先輩は焼きリンゴから離れていった。
私は手を振ってお別れする。
サークルのみんなが知っている。昨日から付き合い始めた2人だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます