第10話 世界樹の忠告
『貴方が彼女の強大な
私を守って下さった方なのですね。御礼申し上げます』
『いえいえ、これだけ立派な大樹になるのに一体どれだけ
の年月が必要だったのか想像するに、とてもじゃないが
俺達の手で傷つけたくなかったので守ったまでです』
『確かに今日まで約10万年は掛かっています。
このダンジョンのダンジョンマスターである私が
倒された瞬間にこのダンジョンは消滅していたことで
しょう。そうすると上級ポーションやエリクサーが手に
入らなくなります。他のダンジョンでドロップ品のポー
ションはここで生まれて各ダンジョンに転送されて
いるのです。もしこれからもポーションを必要とするの
なら世界樹である私は倒さないで下さいね。
私からのお願いであり警告です』
『ということはこのダンジョンは3階層で終了ということ
ですか?』
『そうです。色んな世界にいた私ですが他の世界では
此処を制覇するのに200年以上掛かっていました。
出現してから1年程度でクリアされたのは初めてです。
まさかこんなに早くクリアされるとは思ってもいなかった
です。この近くに最近出来たダンジョンはもっと沢山の
階層が有りますから安心して楽しんで下さい。この世界
には無かった資源も採掘出来ますから大いに利用して下さい』
『さらにもう1つ忠告します。ダンジョンを個人や1つの
企業や国で独占しようとすると争いに発展します。全人類に
開放して下さい』
俺は協会に戻って世界樹言ったことを協会長に伝えて第1
ダンジョンの完全開放宣言を世界中のダンジョン協会に
行うように要請した。
その際国際会議を開き、各ポーションの適正価格基準を
定めて貰えるように提案した。特にエリクサーの買占め
高額販売をする国が出ないようにしたい。
ポーションのドロップするダンジョンを保有している国が
保有していない国への政治的な思惑で輸出禁止などする
恐れが十二分にあるのでエリクサーを含むポーション類の
輸出に関する取り決めなどしておいたほうが良いのでは、
と思っていることなどを話しておいた。
俺は世界樹の所に戻り、協会長に伝えた事を報告しつつ
世界樹を壊してしまおうとする輩が居るかも知れないので
核爆発にも耐える防御シールドを付与したキングゴリラの
魔石を世界樹に渡した。
世界樹は幹に魔石の入る穴を自ら開けて、取り込んだ魔石が
何処にあるのか判らない位置に移動させた。
因みにキングゴリラは討伐されても1日後には再生するらしい。
世界樹を倒さない限り永久的に人類はエリクサーを含む
ポーションを手に入れることが出来る訳だ。
そうすると面白くないのが世界中の製薬会社とそこから
政治献金して貰ってる政治家、裏仕事を請け負っている
裏組織がダンジョンを消滅させようと蠢く心配が有る。
そのための防御シールドなのだ。
それと、エリクサーを含むポーションを作れる、世界で
只1人の俺が暗殺されるかも知れないし。
仲間を人質に取られて脅迫されるかも知れない。
なので、出来るだけの防衛手段を用意しておこうと
思った。
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