秘密と教訓

千瑛路音

秘密と教訓

秘密・・・ないな。


思春期の頃は秘密だらけだったが、年を取っていくとどんどんどうでもよくなっていく。

人が気にしていることと、自分が気にしていることに若干ずれを感じたりもしてそれもばかばかしく感じることが多くなった。

とにかく、人に迷惑をかけないこと、の方が最近では重要じゃないかなと感じ始めてきた。

ただ、そういうのに気を遣うのも結構大変だ。それも秘密と同じように自分が重要だと思うことと、人が重要だと思うことに若干ずれがあるように思う。


秘密といえば一つ思い出したことがある。

小学校高学年のころ、先生が何かに対して怒っていて、その犯人を捜していた。自分ともう一人を問い詰めていたが、自分は自分の事を犯人でないことはわかっていたが、もう一人の方が黙っていたので自分も黙っていた。その件はそのまま立ち消えとなったが、その後、自分がほかの同級生と喧嘩した時、短気を起こした自分をそのもう一人の方が止めにはいった。その人が自分を止める理由はなかったのに。今、思い返してみると、ずっとその人は以前の件を覚えていたのだなあと思う。


そういえば、ほかにもいろいろ思い当たる節はある。自分が評価している人の人物像とその人がこちらをどのように思っているのか、行動しているかはぜんぜんあてにならない。


きれいごとにならないように慎重に言わせてもらっても、あまり独断専行で突っ走らないでとりあえず時間が解決してくれるのを待つ方がいいのかもしれないなあ。


おわり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

秘密と教訓 千瑛路音 @cheroone

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ