魔女さんは祝福に呪われている

玉三

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ある老人が息を引き取ろうとしていた。

ベッドの上に力無く横たわり、呼吸は浅い。

側には若い女が1人、ベッドのすぐ近くの椅子に腰掛けていた。

老人は女の方を見るとふっと表情が安らぐ。

「今日も…とても綺麗ですよ、本当に」

女は老人の手をそっと握り、そう、とだけ応えた。

「好きですよ、ずっと、昔も、今も、これからも……」

そう告げると満足そうな笑みを浮かべ老人はもう何も言えなくなった。


暫くの静寂が2人の空間を包みこんだ。

「置いて行かないで…」

女が呟く。

「貴方が私を殺してよ」

何も言い返してくれない老人に口吻し涙を流していた。


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