ウツ彦@タヒ🔒

佐々井 サイジ

高校時代

四月から配属された新卒にはまだ会ったことがありません。鬱病を発症して一ヶ月休職することになったからです。上司や部下、後輩からは心配の連絡一つ来ません。本アカは高校や大学の友人にフォローされていて、鬱を呟くのが恥ずかしい一方、寂しさに耐えられなくてウツ彦として裏アカをつくりました。

        


耳鳴り、頭痛、吐き気、悪寒、眩暈。不思議なことに、会社に行かなくてもいい状態になると僕を襲っていた諸症状はどこかに隠れてしまいます。ひたすらベッドの上で過ごす日々。会社近くに住んでいるので、同僚と出会わないように買い出しは深夜にマスクとメガネとフードを被って行きます。


運動神経が悪い代わりにそこそこ勉強のできた僕は、周りにタワマンが乱立し始めた駅近くの高校に進学しました。地元の駅や高校にヤンキーが集中することに辟易していたんです。高校では無害そうな男子と関わり、放課後は友達とベビフェやサイゼで下ネタに花を咲かせました。


母親は地元国立大の経済学部を僕に押し付けました。県内の進学校に行ったことをママ友に自慢していた母からすると変な大学に行くことが許されないのです。大学もどうせマウントの材料にされることは想定済みです。とはいえある程度の大学には行きたかった僕は、難関私立への進学で反抗を試みました。


高二で受験科目を世界史Bと英語と国語に絞りました。学校は全生徒、センター試験を受けさせる方針ですが結果はもちろんボロボロ。三者懇談で親が俯く姿を見て、初めて反抗期がピークアウトしました。親にお金を払ってもらうので自分勝手な反抗期でした。でも反抗心は手放すべきじゃなかったです。

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