第15話 目が覚めると…

―???―


「んっ…俺は―――?」


ここは―――?


確か魔王へ剣を突き刺した筈じゃ………?(渾身の力を込めて。)


「…お兄ちゃんッ!!」

「えっ……?(お兄ちゃん?)」


周りを見渡すと……俺は、病院のベッドに居た。


可愛らしい少女が、俺に抱き着いて、涙をポロポロと流している。


「良かったぁ…!! もう目が覚めないんじゃ無いかと……」


思い出した…この子は、俺の妹だ。


「えっと……一体何が―――?」

「覚えていないのも無理無いか……お兄ちゃんは…車にはねられたんだよ」


「えっ……!?」

「本当は私がはねられる所だったの…だけどお兄ちゃんが、私の事を庇ってくれて―――本当にごめんなさい!!」


と…言う事は―――。


俺は……元に戻ったのか。


「お兄ちゃん……あのね」

「ん……?」


「私…お兄ちゃんに“ブサイク!!”とか酷い事、沢山言ったけど……」

「……………」


「私を庇ってくれたお兄ちゃんは、今まで一番カッコ良かったよ!!!!」


ヘヘッ……嬉しいじゃないか。

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