第11話 次の日

…チュンチュン―――。


「う~ん……(もう朝か―――)」


小鳥のさえずりが聞こえて、目を覚ますと……やっぱり辺りの風景は全く変わらず、城の中だった。


「(何か良く分からない夢だったな。いや、あれは夢……だったのか?)」


本物のイヴ姫らしき人の声が聞こえて、俺に「助かります」と言った。


何時いつになったら、俺は元に戻れるんだ?

俺…本当に助かるのか―――?


「おはようございます」

「―――うわぁッ!?」


部屋の隅に、あのメイドが立っていた。


「…どうしました?」

「キ…キミ、い…いつの間に居たの?」

「さっきからずっと居ましたよ」

「うっ……」


全然気付かなかった………。


「……良く眠れましたか?」

「は、はい……」


「今からお着替えを手伝わせて頂きます」

「えっ…着替えなんて、別に1人でも……」


着替えを見られるのは、お姫様になったとは言え、ちょっと恥ずかしい。

※身体は女性でも、中身は男なのだ。


「ウェディングドレスは、お1人でお着替えなさるのは少々大変かと……」

「あ………」


……そうだ。今日俺は、あのイケメン王子様と結婚するんだった。

確かにウェディングドレスは、1人で着替えるのは難しいだろう……。


それにウェディングドレスなんて着たこと無いし。


「えっと…それじゃ、お願いします」

「はい、お任せ下さい!!」


メイドは嬉しそうにニッコリ笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る