目が覚めると、お姫様になっていた。

天ちゃん

第1話 それは突然の事だった。

―お店―


「ありがとうございました~!!」

「(フフフ…ついに手に入れたぞ!!)」


人気ゲーム【ファイナル・クエスト】!!

※何処かで聞いた事がある様な ゲームの名前。


何故人気かと言うと……ゲームに登場するお姫様が 超美人らしく、特に男子に人気が高いRPG(ロール プレイング ゲーム)らしい。


そのお姫様は、最初誘拐されてしまって、登場するのは ゲームの中盤らしいんだけど。


「(さてっ…早く帰って麗しのお姫様を救出する旅に出ますか!!)」



※~※~※~※~※~※~※~※



―???―


「んっ……あれ―――?」


ここは……何処だ?


目が覚めると……辺りは少し薄暗く、まるで城の様な場所だった。


俺は、高級そうなカーテン付きベッドで寝かされていた。


「(俺はどうしてこんな所に……?)」


確か俺は、学校の帰り道にゲームを購入して…家に帰る途中だった筈―――。


……すると―――。


「……目覚めたか、姫よ」

「……へっ?」


謎の男が、すぐ傍で俺を眺めている……。


「(ん…?こいつ何処かで見た事がある様な……誰だっけ?)」


「姫――もう諦めよ。私と結婚するのだ」

「け、け、けっ…結婚ッ―――!?」


それは、突然のプロポーズだった。


俺がこの男と結婚だって―――!?!?


「……何をそんなに驚いている?」

「だっ…だって!! 俺は、男だぞ!?」


「フッ……ハハハッ!! 姫よ、そんな冗談は私には通じぬよ?」

「なっ……!!」


何で信じてくれないの―――!?!?


「その麗しき姿…そなたが男の筈無い。自分で確認してみると良い……」

「(う、麗しき姿って……)」


俺は、妹から「私のお兄ちゃんは 何でイケメンじゃ無いの!?」って言われている位 ブサ男なんだぞ……?


「………??」


俺は、訳も分からず…部屋に置いてある鏡を覗いた―――。

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