落雷と世界(氷漬け)

鯖都つき

落雷と世界(氷漬け)


ぴあろろん電信柱に月影が流れて君と指を絡めた


星の名を教えてくれるその声で名前を呼んで夜に刻んで


手の中の花影ぎゅっと握りしめあなたを好きなわたしでいたい


こんなにも長い夜なら仕方ない 君があたしの名前呼んでも


角材で殴りたいけど持てなくて氷雨に濡れたあたしは素手だ


「なんかそれ武器みたいだね」「モンハンにありそう」「鈍器シュガースティック」


殺したいほどじゃないけどこっち来ないでひとりでどっか遠くで南無れ


朝なんて来なければいい定期 月の砂と夜が足りない 送って(至急)


鳥たちの凍る世界で泣いている 笑い声かもしれない、あれは


眠れずに迎える朝の血の痛み あなたは夢の中にいますか


指輪なら外して紅茶を飲んでいる 鳥籠、時計、隣にいてね


雷が君の近くに落ちた夜 言葉の消えた世界がはじまる


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

落雷と世界(氷漬け) 鯖都つき @anohinosuitou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ