素敵な時間

 彼女に好きな絵を見せた。雰囲気が好きでご飯以外に誘うきっかけにしようと思って見せた。でも、予想以上に彼女は絵に魅了されていたようだ。個展までの1時間、画家さんへの愛を語りすぎた。好きな人と好きなものを共有している時間は素敵だった。だから、これからも素敵な時間を共有したかった。

 彼女からの答えは予想外だった。過去の話をしたがらなかったから、なにかあるとは思っていたが、聞き出すつもりもなかった。彼女が、自分のつらい過去を思い出して、言いよどんでいる姿を見ると、何も言えなかったし、涙が出てきた。気付けば、彼女を抱きしめていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る