第23話 ティーパーティー
「テラスが浄化したのに、淀みが現れたと聞きまして、調査に参りました」
「そうか、ご苦労。発生直後に様子を見に行き、土砂崩れと判断した。報告を上げてから、再度確認したところ、やはり土砂崩れが原因だという結論になったが、あそこで土砂崩れが起こるとは……」
「人為的なものではなく、天災ということですか?」
「違和感はあったが、確実に人為的なものと判断するには根拠が足りないようであった。すぐに、テラスが浄化を行ったため、今後テラスに同行してもらって、調査を進めようと思う」
「もちろん、ディラン様に同行させていただきます」
にこにこと笑い合う、地獄の神とテラスの様子を見て、恋愛の神たちは一気に集まった。
「……何があったの?」
「……誤解が解けて、いつもあの様子なんだ」
「うわぁ。クロウ様お疲れ様です……」
「俺、頑張っているよね!?」
ミコに抱きつこうとするクロウの頭を、恋愛の神が思いっきりはたく。
「セクハラになりますよ?」
「……なんか怖い。今殴ったのは、パワハラでは!??」
「……ありがとうございます。恋愛の神」
「何話してるんですか?」
一番正気そうな笑顔を浮かべていた恋愛の神に、テラスが近づき、問いかける。
「なんでもないですよ。あ、そういえば、天界の女の子たちに大人気なお菓子を持ってきました。テラスもいかがですか?」
「いいんですか!?」
「俺も俺も……ぐふっ」
駆け寄ってきたクロウを投げ飛ばしながら、恋愛の神がテラスをエスコートしてお菓子の準備をしようとする。
「……テラスは私の隣だ」
「……はい」
「この僕が当て馬ポジションだと!?」
「うー……恋愛の神、俺にも菓子をくれ……」
「はい、クロウ様はこちらへどうぞ」
「やったー! これ、食べたかったんだよね!」
「恋愛の神。これは少し見ていて面白いですよね?」
「そうだね、ミコ。僕の想いは破れたものの、見ていて、大変参考になるよ」
「賭けをしましょう? あの二人、いつお互いの気持ちに気づくと思いますか?」
「そうだねぇ。賭けの商品は?」
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