第7話

温い風。

夏の夜。

わたしと水ちゃん。

で、青井くん。

残念ながら、あおい そら とかではないんだ。

青井創くん。

3人お祭りへ。

浴衣のわたしたちに、飾らないいつもの創くん。

Tシャツに華奢な身体。

駅前では街宣。

「フハイしたセイジを正すのが、私達のシメイです!」

「シメイ?」

なんだか嫌な響き。

三角関係。

そんなところ。

水ちゃんはオープンだ。

「私はそーちゃんとケッコンして、青井水になるんだ。でねっ、すい、じゃなくて、みず、に改名するんだ。だからこのは、今からみずちゃんって呼んでよ!」

そんなわけで、わたしだけ「みずちゃん」って呼んでる。

わたしは、あおいこのは、それで良い。

それでも、誰にも言えない。

嫌なオンナ。

平気で親友を裏切る。

水ちゃんトイレ行ってる間、わたしと創くんキスをした。

ふたりになりたい。

そう思っちゃう自分を、また嫌いになった。

そんな事知らずに、水ちゃん真夏のマーメイドみたい。

浴衣着てても。

鈍臭いわたしと違う。

きれいだなあ。

その心まで。

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