第3話
「このはちゃん、パパは好きかい?」
唐突になんて事を聞くの?
「きらいだよ。ていうか、どおしてわたしの名前知ってるの?わたし、もりのです、って言っただけだよ」
「それは僕が…」
周りの人が集まって、紫明の口を塞ぐ。
水ちゃんが「ドンセイ、エニモア」
「まあ良いわ。だけども、なんでわたしたち将棋クラブでオセロに向かってるの?」
「そこなんだ。僕は女流棋士のお話が書きたくてね。それでこのはと水、ふたりを作ったんだ」
「なにを仰るヌートリア。わたしは森野このは。森野貴幸と森野雅美の子供だよ。てめえが作ったわけじゃないんだ」
「まあ聞いてくれ。困った事に僕は将棋を知らなかったんだ。だから、将棋の駒で戦うバトルモノにしようかとも考えた。けどさ、色白なこのちゃんに色黒な水ちゃん。オセロはどうかな?オセロなら、なんとなくわかるんだ」
「このちゃんとか呼ぶなクソじじい。まあ、それでも良いかな。香車アタックとか、わたし独自に技を考えてはいたけどね」
「うん。ウィキペディアとかで調べられたらそういうのも散りばめようかな。とりあえず、現状オセロで」
「現状オセロ、ね。」
「それじゃ、水ちゃんにバトン渡すけど、言い残した事はないかい?」
「うーん、フタバシメイ。くたばっちまえ」
「ぴえん。」
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