君に夢中

@komame-kurata

プロローグ

 「はあ……はあ……」


 視界に見慣れた天井が広がる。再び眠りに落ちてしまわないよう、勢いよく身体を起こす。全身にびっしょりと冷や汗をかいていた。呼吸は荒く、心臓はバクバクと激しく脈打っている。


 やっと、逃げられた。やっとあの恐怖から解放される。そう思っていた。


 ……しかし、それは大きな間違いだということに、馬鹿な私はまだ気づいていなかった。


 

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