準備

フリーナ「それでこれからの話をしましょうか。」


総司「これからの話…とは何でしょうか?」


フリーナ「これからどうするかについてですよ。このまま魂のままでいると近いうちに消えてしまいます。こちらに来てしまった理由は分かりませんが、この神域に魂だけとはいえ人が来るのは初めてでして、どうしようかと…出来ることはこの世界アビスフィアの人間に生まれ変わることが一番手っ取り早いですね。」


総司「それって転生するということですか?」


フリーナ「そうですね。このままでは魂も消えてしまいますし、それを放置する気はさらさらないですし。」


総司は考え込んだ

地球に戻れないのであればこのまま消えてしまうよりも新しい人生を歩む方がいいのではないか


総司「分かりました。このままというわけにはいきませんし、転生します。」


フリーナは微笑みながらこちらを見た


フリーナ「分かりました。ではこうやって話した縁もありますし、何でも願いを叶えますよ。スキルをくれとかでも良いですし。」


総司はふと思った

この願いを使って家族と幼なじみに最後の別れとして何かしてやれないかと


総司「では…家族と幼なじみに不幸が起こらないようにしてやってくれませんか?悲しむのはこの一回だけでいいので。」


フリーナ「いいのですか?地上で最強になることも出来ますが?」


総司「大丈夫ですよ。これが最後の恩返しにしますから。」


フリーナ「………………分かりました。しかしそれとは別に貴方にスキルを与えましょう。」


総司「貰わなくても大丈夫ですが…」


フリーナ「いいんです。貴方の心の優しさに感服しました。与えたスキルは転生した後で確認してくださいね。」


総司「分かりました。何から何までありがとうございました!」


フリーナ「いえ、これもなにかの縁ですし、もしよろしければ時々私の話し相手になって頂けませんか?何分この世界は何もなく、話し相手も他の神々しかいませんが、私が創造神であるがゆえに萎縮してなかなか気兼ねなく話せませんし。」


総司「いいで………創造神?!フリーナ様が?!大変申し訳ございません!気軽に口を利いてしまって…」


フリーナ「いえいえ。そんなに畏まられると寂しいですよ。先程のように話してくださるとありがたいです。」


総司「……分かりました。話し相手の件も了解しました。こちらこそ宜しくお願いします!」


フリーナ「ありがとうございます。ではそろそろ…」


総司「あ、そのことなんですが…ここで修行させては頂けませんか?とある事情で武術の心得はあるのですが、何分世界の事を何も知らないので…」


フリーナ「あら…そうでしたね。では少しの間ここでいても構いませんよ。」


総司「ありがとうございます!良かった…」


フリーナ「ついでに丁度いいのでこの世界についてもお話しておきましょうか。」

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