手紙
謎の女性に連れられて神殿内を歩いていく
辺りは静まり返っており、人の気配はしない
総司(ここは…本当にどこなんだろう?)
すると女性はとある扉の前で立ち止まり、
その扉を開けて中へ入っていく
それに続いて総司も入ると、中は椅子が2脚と机があり、そのうちの一つに女性は腰掛けた
女性「どうぞそちらへおかけください。」
総司が椅子へ座ると、女性は話し始めた
女性「改めてようこそ。この神域へ、そして女神フリーナの神殿へ。貴方が聞きたいことに答えられる範囲で答えましょう。何が知りたいですか?」
総司は驚いた
総司(女神?!本当に?!確かに神域とか神殿とか言ってたけど本当に女神だなんて…)
総司「女神さ」フリーナ「フリーナとお呼びください。」
総司「………フリーナ様。ここは神域と仰っておられますが神域とは一体何なのでしょうか?そして僕がここに来た理由とは何なのでしょうか?」
フリーナ「畏まらなくても大丈夫ですよ。
ここはアビスフィアという世界を管理する神々が住まう場所です。貴方がここに来た理由は……私にもわかりません。本来であれば貴方は地球の輪廻の輪に入るはずですから。しかしなんの因果か…この世界に来てしまったところでしょうね。」
総司は困惑していた
総司(アビスフィア…?地球ではないのか?ということは…異世界に来てしまったということかな…家族が心配していそうだ。どうにか帰れないかな?)
総司「フリーナ様。僕は地球には帰れないのでしょうか?」
フリーナ「そうですね…少し確認してみましょうか。」
するとフリーナは空中に手を翳すといきなり半透明のプレートが浮かんできた
フリーナ「…………どうやら向こうの世界では貴方の体は既に火葬されてしまったようですね…流石にその状態であれば向こうに戻ることは出来ませんね…いざ戻ったとしても、魂を固定する肉体がないので消滅するだけになってしまいます。」
総司「そうですか…これから一体どうすれば…」
総司は地球にいる家族や幼なじみ、クラスの皆を思い出し泣きそうになり、顔を伏せる
無限の愛情を注いでくれた両親や、優しかった姉、
生意気ではあったけど甘えてくることもあった妹、
幼稚園の頃から一緒に育ってきた幼なじみ、
学校で笑いあった友達、しかしもう会えない
フリーナ「貴方を生き返らせることは出来ませんが、親しかった一部の人に手紙を書くことも出来ます。どうなさいますか?」
それを聞いて総司は顔をあげて、フリーナを見る
総司「いいんですか?!ぜひやらせてください!」
総司は家族や幼なじみに先に死んでしまったことを詫びる事や皆の幸福を願う旨を書いた手紙をフリーナに渡した
総司「これを家族と幼なじみにお願いします。」
フリーナ「分かりました。確実に届けましょう。」
そう言うとフリーナは手紙を仕舞った
フリーナ「さて…これからの話をしましょうか」
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