ルーの秘密

暗黒星雲

第1話 前回までのあらすじ

 銀河辺境地域において、我が艦隊は出所不明な救助信号を受信した。救助特務部隊〝ほまれ〟に所属する俺はワープカタパルトで発艦した。救助信号の出所を確認し、大規模な救助が必要かどうかの確認を行うためだ。ところが、ワープ空間内で異星の少女ルー・リーオルと出会った。彼女は一億年前に滅んだ先史文明の意識体で、現在は七次元宇宙で暮らしていた。そのルーは三次元世界、つまり、地球での生活を希望し、その為のコンタクトとして救助信号を使用したのだという。俺はルーと共に母艦へと帰還した。


 ルーは俺の妹となりはなぶさ瑠璃るりと名乗る。そして不思議な事に、彼女の戸籍は実在しており俺の両親も瑠璃を大切に育てたと証言した。更にあろう事か、ルーの艦内滞在が許可されていた。これは、先史文明の意識体が実に手回しがよく、尚且つ時間を遡って戸籍などの記録を改ざんし、更に個人の記憶まで改ざんできるというとんでもない能力を持っている事になる……のだが、それに気づいているのは俺一人だけのようだ。


 艦内で一緒に暮らすルーは、俺に性的なアピールを繰り返しあからさまな求愛をしてきた。設定上は一回り年が離れた妹なのに……である。そんなルーと俺は、艦長の夷守ひなもりいつきに夕食の招待を受けた。夕食後に夷守艦長とルーが当然の如く俺に求愛し性的な関係を迫って来た。確かに艦長は俺のタイプだったが、だからと言って歳の差も階級差も甚だしく、とても俺ごときがお相手できる人物ではない。


 年上悩殺美女と年下ロリ系美少女に迫られ、絶体絶命かと思われたその時、艦内にA級アラートが鳴り響いた。スクランブル機が発艦したのだ。おかげで俺は開放された。危機一髪だった。

 

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