転生したら最強の剣をゲットしました

おーちゃん

第1話

1話 異世界に来た


 俺は現在29才であり週二日アルバイトをしていて、金に大変困った生活をしていた。


 もっと働けばいいのだが働く気力がないのが欠点で、パンを一つ休憩時間にとるのが精一杯だった。


 腹が減って親と同居してる自宅に戻ると食べ物はなかったので、我慢することにして過ごすのだった。


 部屋につくと何もすることはないのでゲームを始めるのがいつもの俺の日常であってスイッチを入れた。


 ネットワークで繋がれてプレイ可能なRPGゲームは世にいくつもある。


 数ある中でも特に迷宮を舞台にした本格的なRPGとして人気を集めていたのがクリスタルオンラインであった。


 特徴としてはギルド仲間と協力して冒険者となり、世界を君臨する者を目指していくというよくある内容であり、よくある設定だけど、プレイし続けてしまった。


 それはこの世に生まれた者なら誰でも一度は憧れるはずである目指しても遠い地点にあるもの。


 たいていのプレイヤーはたどり着くことは叶わない夢の域と言われた、世界を統べる覇者と呼ばれる存在に成りたいとかである。


 RPGゲームとは言えクリスタルオンラインは、その叶えたい欲望を形にしてくれ、だから寝ないでやった。


 そして俺はクリスタルオンラインで唯一の迷宮クリアしたプレイヤーにまで到達していて、どれだけ時間をかけただろうかと計算するのも面倒なほどだろう。


 俺がこの境地に達したことは光速で伝達されてると思うし、他のプレイヤーは俺をどう見ているだろうかな。


 俺の願望はひとつ……まだ誰も到達していない域に達することであり、そしてやっとのこと願望は叶った。


 部屋にこもり続けた結果なんですけど……。


 俺の隣にまで来れるプレイヤーはいつ現れるかな。


 画面を見てたらノドも渇いたので、冷たいジュースを飲んで祝杯したい気分になる。


 そこてゲームは離れてコンビニに食料品を買いに行くため家を出た。


 コンビニに入り店内には美味しそうな弁当が並んでいて欲しくなったが俺の日常にはあり得ないのであった。


 せいぜいパンを一つとジュースを買うのがパターンであり、これしか買う金が無いからで食べるのに困っていた。


 働いてればまだマシな方で無職の時代は親に世話になるしかなく、長いこと馬鹿にされつづける。


 29才にもなってもうお先真っ暗な毎日であると考えながらレジで会計を済ませた。


 早速パンをがぶりとひと口食べてとても美味く、次にジュースを開けて喉を炭酸で潤したら仕事の疲れも一気に吹き飛んだように感じた。


 いや違った、俺は吹き飛んだように感じたのではなく本当に吹き飛んだようだ。


 とうやらコンビニを出てタクシーに跳ねられてしまったのを何となく理解するのは、痛みが体中に伝わってきたからで俺は死ぬのかなと思った。


 すると目の前が暗くなり意識が遠のいていくようで、死んだとわかった。




 なぜこんな暗い所にいるのだろうか?


 気がついたら下は砂である。


 長く続く通路は地下のトンネルのようだ。


 薄暗がりの中に俺はたった独りで立っている。


 自分で来た記憶もないのだが。


 いやこんなトンネル……迷宮ダンジョンとも思えるとこに行こうとしないだろう。


 立っているのも何なので進んでみよう。




 歩いていっても風景は変わらないので、どうしようかなと悩む。


 俺ってこのまま永久に暗闇の迷宮らしき場所で暮らすのかよ。


 その前に食料品だって持ってないぞ。


 3日待たずに死んでしまうよな。


 せめてポテトチップスの1つくらいあって欲しいけど。


 クソー、もっと唐揚を食べておくべきだった。


 途方に暮れること数分。


 どん底にいて食欲の件でがっくりしていた俺は目を凝らしてみた。




 前方の先に光が見えた!


 なんだろうか?


 出口か…それとも俺以外の誰かが向こうにいるのかも。


 少しだが希望が感じられる。


 行ってみる他ないので走って光のあった方に進んだ。


 めったに走る機会がない俺は少しの距離でも疲れるはずなのに、思ったより疲れていない。




 この世界では俺の体力の無さは反映されていないようだ。


 その方がいいのだけど。


 しかし喜んでばかりはいられないのだ。


 な…なんだよ…これは…。


 俺が見た物は嘘のような光景であった。




 突然目の前に現れたのは見たこともない魔物であった。


 いや俺のプレイしていたゲームでは存在していたような魔物だ。


 1匹ではあるが迷宮を塞ぐ形で待ち構えているのだ。


 俺は考えるまでもなく逃げる選択をした。


 当然であろう、現実に魔物を見たら誰でも逃げるに決まっている。




 その時に俺の前に人間がすでに構えていた。


 慌てていて目に入らなかったようだ。


 誰だかわからないが冒険者なのだろう人に話しかけてみよう。




「戦うのですか?」


「君は下がっていて、僕が戦いますから」




 その冒険者は俺に見ているように促したので遠慮なく見学させてもらう。


 さすが冒険者。


 マジで助かります。


 すると俺の視界の中にウインドウが現れる。


 ちょっとびっくりした。




 後ろに倒れそうになるだろ。


 改めて見てみるとウインドウはゲーム内で見かける情報を表しているのだろうか。


 魔物を見ると情報が表示される。


 


 サンドネズミ レベル1




 と表示される。


 猫よりも大きなネズミであるが、レベル1とあるので弱そうだ。


 その男の冒険者はというと調べたいと思い、よくゲームではウインドウからサーチできるので試してみた。




 ハルク 


 冒険者レベル2




 とある。


 レベル2と知って2かよ!と言いたかったが我慢しておこう。




「木の棒!」




 冒険者は腕にある腕輪に何かつぶやいた。


 なんだろうか?


 そういえば武器を持っていないのにどうやって戦うのだろう。


 素手で戦うのかな。


 武闘家系のタイプとみた。




 ゲームでは必ずあるジョブであり武器は持たず拳で倒していく。


 拳に自信があるのだからよく見物させてもらおう。


 と思ったら手を地面に置き砂を手にしていると、砂はなんと木の棒に変化した。


 えっ!


 俺は目を見張る。


 恐らくは魔法なのだろう。


 冒険者は木の棒で殴りかかった。




「うりゃああああああ!」




 木の棒はサンドネズミにヒットした。


 よしこれなら勝てる。


 と思ったらすぐさま反撃されて、牙でガリガリと噛まれてしまう。


 おい…大丈夫すか?


 ヤバくねぇ…。




「もう僕はダメだ。後は君に任せるぞ!」




 冒険者は反撃されて死に絶えたようたった。


 弱すぎるだろ。


 冒険者レベル2の実力なのか…。


 期待した俺が悪かったのかよ。


 いくらなんでも、レベル1だぞ魔物は。


 だが考えてる猶予はない。




 サンドネズミは俺の存在をまだ知らない。


 ならとっとと逃げよう。


 ガタッ。


 しまった…石ころを蹴ってしまった。


 サンドネズミは俺に気づいたようで、目をギラつかせた。


 そんな怖い目で見ないで…。


 俺には武器も防具も何も無いんだぜ。


 そんな俺にようしゃ無く襲いかかってくる。


 このひきょう者目。


 あの牙に噛まれたら終わりだ。


 横に避けてみた。


 すれ違うようにかわせた。


 どうすりゃいいのだ。




 絶望的なこの状況にまたもどん底に落ちる。


 あの冒険者が弱すぎるのが全部悪いのだと、全ての責任をなすりつけた。


 そこで視界に冒険者の腕輪が入る。


 確か…武器の名を呼んでいたよな。


 あれを使えば武器が…。


 すぐに冒険者の腕から腕輪を取り上げると俺の手首な装着。


 地面の砂を持ち魔法を唱えるように言ってみる。




「木の棒!」




 すると砂は不思議な事に木の棒に変化した。


 やはり魔法の効力なのだろう。


 木の棒でネズミを叩いた。


 1撃。


 続いて叩きまくる。


 頼むから死んでくれ。


 牙は無しでお願いします。


 しかし最悪なことが起きた。


 木の棒が折れてしまった…。




「げっ!」




 これでは戦えない。


 もう木の棒を変化している暇はないぞ。


 と生死を感じたらサンドネズミは動かなくなっていて、消えてしまった。




「…やった。倒したぞ…」




 苦しくても初の魔物とのバトルは勝利であった。


 後には宝石のような物が残った。




「これは…ドロップアイテムかな」




 ゲームでは魔物を倒すともれなく貰えるアイテムで金が多く、中には薬草や貴重なアイテムもゲット出来たりする。


 宝石を手にしてポケットにしまう。


 ウインドウが開き。




 堀進 


 冒険者レベル2




 魔力量 99万9999




 木の棒 魔力量 50




 99万9999!


 ウインドウの数字を再確認した。


 何度見ても間違いないインフレな数字。


 どこかで見覚えのある数字なのだが……。


 記憶が曖昧でハッキリしない。


 まず魔物が生息していることはわかった。


 そしてここは迷宮ダンジョンであることも。


 それならば入口があれば出口もある。


 死んだ冒険者が来たからには必ず存在している。




「とにかく出口を探そう…」




 俺は腕輪はしっかりと持ち、迷宮内をさ迷うのだった。

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