詩¦こたえあわせ
鈴鳴ノ館
06
冷たくかたい床に
不透明の骨を軋ませることが
いきている
ただひとつの証明だった。
秒針を刺す代わりに
虫たちがころりと鳴く。
泡沫の在り処だけは知っていたから。
天井に手を伸ばし
思考を反芻してみても
空気さえ
掴めずにいる。
ツゴウのいい夢を見た。
答え合わせがしたかった。
赤いえんぴつで
私の手足に、脳に、
或いは魂に、
ばつじるしを付けたかった。
ぐるりと空いたこの大きな穴に
詰め込むだけの黒い欲が
毎夜塩水に溶けてしまうよりかは
マシだと思ったのだ。
1輪の花を手折った。
枯れゆくだけのそれを
私は一体どこへ忘れてきたのだろう。
花弁を喉奥へ詰め込んで
茎をひといきにのみこみ
私
にしてしまえば、よかった。
詩¦こたえあわせ 鈴鳴ノ館 @suwaswsw
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