詩¦赤
鈴鳴ノ館
03
耳に秒針を突き刺して
浅い呼吸を繰り返したら
微睡みの中へ
僕から成って僕でなくなったものを失って初めて気付いた
僕が吸い込んだものは現実で
僕が見ているものは幻想なのだと
なびかないカーテンに思考を絡めて
時計の砂はとろりと流れる
なにかに喰われるならばそれで良かった
自分の脳をかじるほど空腹だった
仄暗いそれに噛み跡をつけて
ただ上書きを
うわがきを
このノイズを放ったならば
きっと世界は海になる
詩¦赤 鈴鳴ノ館 @suwaswsw
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