氷の女王とのお付き合い
ワイワイ
第1話 始まり
「皆さんこんにちは、今日からこのクラスの担任となる
今喋ったのは僕のクラスの先生となる人だ。これから高校生活が始まる。今までとは違う環境、人。不安もあるけれどこれからの生活が楽しみだ。
「これから自己紹介を順番にしてもらおうと思います。でもいきなりだと何を言えばいいか迷うと思うので内容を考えてきました。」
そう言うと黒板に書き始めた。
名前、趣味、クラスへの一言。なるほどこのくらいの内容ならすらすらと言えるはず。頭の中でシュミレーションしてみることにした。
『
好きなことはゲームをすることと漫画を読むことです。これからよろしくお願いします。』
多分これで完璧なはず。・・・本当はもっとゲームと漫画について深掘りした方がいいのだろうけれど緊張すると内容を忘れてしまうからこれぐらいにしておこう。
「ではみんなの前で自己紹介する前にまずは隣の席の子に自己紹介をして下さい。時間は一人一分です。アラームをセットするので少し待っていて下さい。」
この少ない内容で一分!?
難しいなと思いながら隣の席がどんな子なのか確認する。・・・女子か。黒髪のロングヘアーでクール系の様な感じだ。どことなく近づき難い雰囲気があった。女子と話すのなんて小学校以来だ。中学の時は女子と話したことがない。悲しいことに同棲の友達もできなかったため全ての記憶が苦い。うまく話せると良いのが
「アラームがセットできましたので、今から一分計ります。ではスタート」
スタートの合図と共に周りが話し始める。もちろん僕も話しかける。
「あの…どっちから話します?」
「どっちでも良いですよ。」
「なるほど…じゃあ僕から言います。名前は田村積麦と言います。趣味はゲームをすることと漫画を読むことです。これからよろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「・・・」
この後、趣味について何か質問してくるかと待っていたが、特に何も話さずに一分がたち隣の子の番になっていた。
「私は
「・・・」
このまま何も話さないままだと中学の時と同じ様に友達ができないかもしれない。またせっかく女子と話せるチャンスなのに無駄にするわけにはいかない。そう思い草深さんに話しかけた。
「好きな食べ物は何ですか?」
・・・やっちまった。自分の聞いた質問が趣味と全く関係ないことに話した直後に気がついて顔が熱くなる。草深さんの様子を見てみると表情が全く変わらない。無言でこちらを見てくるのに対して緊張感があった。
しばらくして草深さんが口を開いた。
「枝豆が好き。」
「・・・。」
枝豆という答えが僕にとって意外だった。どう返答するか迷っている内に時間が来てしまった。会話した時間はほんの一瞬だったが草深さんについて少しわかった気がした。また自分でもよく分からないが、最初に感じていた近寄り難さも無くなった気がした。もしかしたら草深さんと仲良くなれるかもしれない。
この後のクラスの前での自己紹介は特に何かが起こるわけでもなく今日の授業は終わって行った。
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