隣の如月さん

まるべー

朝の会 席替え

「やっぱ後ろが一番最高だな…」


今日は席替え。周りがガヤガヤと喋りあいながら席を移動する傍ら、俺、髙木康平たかぎこうへいは1人そそくさと自分の席である一番後ろの席の、窓際から2列目に移動していた。


右と左はいるものの、後ろに人がいないことはとても素晴らしい。何しろ授業中いつでも伸びができるのだ。


そして後ろなら寝てるときに先生に起こされる心配もないし、前に人がたくさんいるから授業中に質問されたりすることも絶対にない。


とまぁ席替えにはいいことづくしだ。


「あぁ……どうせなら窓際がよかったのにな……」


なんてボソッと呟いたその時だった。


「あれ、髙木くん……だよね?これからよろしく!」


声をかけられたので窓際の席の方を見ると、そこには学級委員長の如月日向きさらぎひなたが座っていた。


「あぁ如月さんか。これからよろしく」


「うん!よろしくね!」


そう言って如月さんはニコッと笑った。

その笑顔はまさに天使のようで、思わずドキッとしてしまった。

……まあ、一時間もせずにその感情は消え失せたのだが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る