第2話 リハーサル(起)

 上手から殺人シタイ、下手から殺人マナブが拍手をしながら登場。


 以下、『シ』は殺人シタイ、『マ』は殺人マナブ、『両』は両者のセリフ。


シ「こんにちは。殺人シタイです」


マ「こんにちは。殺人マナブです」


両「二人合わせてシタイでマナブ。おなじみ殺人漫才でぇす。皆さん、拍手うううう(拍手をする)」


シ「今日はなあ、マナブ君。君に折り入っての相談があんねんや」


マ「何や。シタイ君。どないしたんや」


シ「これはなあ、(周囲を見回す)秘密やで。秘密の相談なんや。せやから、絶対、誰にも言うたらあかんで」


マ「秘密て、えらい大層な話やなあ。何やねん、一体?」


シ「やっぱりめとこ」


マ「ちょっと、待ちいや。何や、なんでめんねん」


シ「せやから、これは秘密の相談やねん」


マ「そんなん、分かってるがな」


シ「マナブ君。君、秘密、守られへんやろ」


マ「何でやねん。ちゃんと守るがな」


シ「ほんなら、僕が今から相談した内容をやな、君、誰に話しすんねん」


マ「まず、嫁さんやろ。ほんで、スナック『ボイン』のアユミちゃんやろ、それから・・」


シ「(マナブの胸をポンと叩く)もう、ええわ。僕の相談が駄々洩れやないかい。てか、スナック『ボイン』て、君、なんちゅう店に行っとんねん」


マ「スナック『ボイン』は、店の女の子のオッパイが大きゅうてなあ。ママなんか、手でオッパイを持たれへんのんや。それで、ショベルカーでオッパイを運んでんねん」


シ「何を言うトンねん。スナック『ボイン』の話はええねん。僕の秘密の相談のことや。君。秘密と言われたら、どないしたらええんか分かっとんのか?」


マ「さあ、それやがな。僕、実は分からんねん。秘密って言われたら、僕はどないしたらええねん」


シ「あんなあ、秘密ちゅうのんは、誰にも言うたらアカンねん」


マ「えっ、秘密ちゅうたら、誰にも言うたらアカンのんかいな?」


シ「そうやがな。それが秘密ちゅうことやがな」


マ「分かった、誰にも言わへんわ」


シ「ほんま、頼むで」


マ「ほんで、シタイ君。相談て、何やねん?」

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