第63話 蛇骨会 ⑥

脛夫すねおside】


 ボクちゃんはD地区の不良たちの心を掴むため、新たな戦略を練りながら行動を続けた。

 黄薔薇派の存在を強調し、アイツらにも利益があると説得することで、次第に協力の意志を引き出すことができると考えた。


 毒虫誠二と他の不良たちは、その話をしっかりと聞いていたが、一抹の不安を見せた。


「学園の全支配なんて相当な覚悟が必要だぞ、鷺田。

 リスクも大きい、どう保障してくれるんだ?」


 ボクちゃんはその質問を予想していた。

 奴等との信頼関係を築くためには、具体的な計画と見返りを示す必要がある。


「君たちの助けがあれば、ボクちゃん達は学園内で不動の地位を得ることができる。

 成功すれば、学園内での影響力は君たちにも及ぶ。

 防具や武器の提供も考えている、全力で支援するよ。」


 その言葉に、不良たちは次第に心を開いていった。


「わかった、鷺田。おまえの計画に乗ってやる。

 ただし、裏切りは許さないからな !」


 ボクちゃんは力強く頷き、奴等との協力を取り付けた。新たな決意を胸に、再び黄薔薇派の隠れ家に戻り、泥水先輩にこの進展を報告した。


「先輩、D地区の不良たちは協力を約束してくれました。ボクちゃんの計画に全力を尽くす覚悟です。」


 泥水先輩は満足そうに微笑んだ。


「素晴らしい、鷺田くん。その調子だ。次は学園内の勢力をもっと統一し、具体的な行動に移る必要がある」


 ボクちゃんはその言葉に応じて、更なる行動に出る決意を固めた。


 ◇◇◇◇


【埼玉舞side】


 機動新撰組の早朝ミーティングから数日が経ち、私たちの監視活動は着実に進んでいた。

  黄薔薇派の動向を掴むため、学園内の様々な生徒に接触を試み、情報を集め続けた。


「今日は黄薔薇派の集会が行われるらしい。

 私たちもその場に潜入して、奴等の動きを確認しよう」


 斎藤一美隊長の指示のもと、私たちは慎重に準備を進めた。校内の隠れた場所に集結し、計画を練り直した後、潜入を開始した。


 学園の裏庭で行われている集会には、黄薔薇派の主要メンバーが揃っていた。

  私たちは陰からその様子を観察し、リーダーの姿を確かめようとした。


「見るんだ、あの女性が集会を仕切っている。彼女がリーダーに違いない !」


 その言葉に、全員が彼女の動きを見守った。

  彼女の名前はまだ確認できなかったが、凛とした姿勢とカリスマ性から、確かにリーダーとしての風格が感じられた。


「これで確信が持てた。彼女を追い詰めるために、次は具体的な行動を起こさなければならない !」


 私たちはその日の集会が終わり、黄薔薇派のメンバーが四散するのを見届けた後、さらに作戦を進めるために動き出した。


 ◇◇


 次の日、機動新撰組は総力を挙げて行動を開始した。

 学園内外の協力者たちと連携し、黄薔薇派のリーダーを突き止め、彼女に接触を図ることに全力を注いだ。


「皆、ここからが本番よ !

 今こそ、学園の平和を取り戻すために力を合わせましょう」


 私たちの決意が固まったその瞬間、学園内での静かな戦いが一層激しさを増していった。

 黄薔薇派との闘いは、これからが正念場となる。


 続けて、私たちはリーダーとの直接対決を見据えた行動に移り、学園の未来のために全力を尽くす覚悟を固めた。


 新たな展開が待っている一方で、その日はさらに多くの情報を集めるべく、次の一手を打つ準備に取り掛かった。













【泥水進次郎side】



「大丈夫なのですか、彼は鷺田 脛夫?」


 黄薔薇派リーダーである彼女、土利留優子どりる ゆうこが心配そうに聞いてくる。

 傲慢な蟋蟀先輩を出し抜いて、彼女に近づいたのは成功した。

 彼女の亡くなった父親は元知事……同じサラブレッド同士、彼女とは気があう。!

 同じサラブレッドの蟋蟀は、傲慢、傲岸不遜だったから同じ議員仲間からは嫌われていた。

 その息子の蟋蟀太郎も父親とそっくりだから、奴の下に付いても伸し上がることは無理だろうからな。


 せいぜい役に立ってくれよ、鷺田くん……

 所詮しょせん、君はトカゲの尻尾に過ぎないのだからね、フッフッフッ……


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