第21話

 お説教タイムに三十分、誤解を解くのにもう三十分。

 計一時間近くもの奮闘を経て僕らは解放された。


「……ダメだ、つながらない。そっちは?」

「同じく」


 いがみ合っている場合じゃないので、渋々返事を返す僕。 

 これがテールならふるふる首を振るだけで応えていたところだろう。


 ……ん、待てよ? テールは僕以外にもそんな感じなのか?


「で? どうすんだよ」

「どうしよう」

「ここのプール相当広いぞ」

「うん、スライダーもあるね」

「流れるプールもな」

「波の出るプールなんてあるんだね」

「広すぎて端が見えない……」


噛み合っているのかいないのか微妙な会話が続いた後、本日何度目かのため息が漏れた。


「……どうするよ?」


二人を引き離すどころか、見失ってしまった。

さて、どうしたものか。


「……仕方ない、二手に別れるぞ。ただし、先輩を見つけても声かけるなよ?」

「そっちこそ」


こうして、僕らの共同作戦が始まったのだった。



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