情報のとっ散らかったホラー小説

いわししゃも

新車で肝試しに行った話

 どうしても一人で抱えきれないからここに書かせてほしい。これは本当に俺が体験した話だ。普段文章あんまり書かないから、わかりにくかったらごめん。

 その日は三限の実習が休講で、急に暇になったから、アキラが肝試ししようって言い出した。アキラっていうのは友達で、金髪だけど割と真面目なやつだ。いつもならポケカとかやるんだけど、その日はもってなかったからいいじゃんってなってみんなでトンネルに行くことにした。

 そこは結構有名なトンネルで、身バレしそうだから仮にAトンネルとする。サトシが車を買ったばっかりだから、初めてのドライブにもちょうどいいと思った。

 途中のコンビニで弁当なんかも買って、海ほたるでちょっと観光もして、トンネルについた時はだいぶ暗くなってた(時間は見てないからわからない)。

 いかにも心霊スポットって感じでジメジメしてて、暗かったからスマホをライト替わりにした。サトシとアキラが前に行ってくれて、俺は正直怖かったから、みんなの後ろからゆっくりいった。

 怖かったからあんまり見てなかったけど、多分変なものは見えなかった。使われていないただのトンネルって感じで、すごく足音が響く。最初は結構しゃべってたのに、全然出口見えなくね?って誰かが言う頃には誰も喋らなくなってた。

 外が暗くても普通はなんとなくトンネルの出口だなってなんとなくわかるから、俺たちはパニックになった。

 帰ろうってアキラが言って、賛成して後ろ向いて歩いてたら、リョウスケが小さい声で「足音が六人分だ」って言った。嘘だろって思ったけど確かに人の気配がおかしくて、心臓のあたりがどすんと重くなった気がした。

 みんなで走って車まで戻って、それでなんとか帰ったんだけど、あんまり記憶がない。今も震えが止まらないし、授業で会ったらタカシもカケルも青い顔してた。アキラとリョウスケは入院したし、サトシは俺に会ってくれない。本当にわけがわからない。あんな小さい車で、どうやって六人も帰ってきたんだ?

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