ゼロから始めるのんびり異世界農家生活 〜与えられた「万能農具」とスキル「錬金術」に、学んだ「薬学知識」で領地を豊かにしようと思います〜

夢実千夜@Senya_Yumemi

第一章 ゼロから始めるのんびり異世界生活

第1話 天国か人間転生か?

 この世界は魔王や魔物、様々な種族が織りなす世界である。王国や貴族なんかも存在しているという。


 そんな世界でせっせと働く1人の人間がいる。


 そう、このお方こそ我があるじと決めた人間である。


 ふむ。今日も主は忙しいらしいな?


 ここも大きく賑やかになった。

 儂がここに辿り着いた当時、まだまだ小さな集落であったな。


 儂ら種族は縄張り争いやメスの取り合いが絶えない。そんな縄張り争いで敗北して朽ち果て、この森の奥深くまで彷徨い、目にしたのは1匹のメスだ。


 敵わなかった。


 このメスと共にした。そのうちメスが腹籠った。


 こんな朽ち果てた儂に家族が出来るのだと高揚したが、同じ種族の群れに襲われて、たちまち傷だらけになり、儂とメスはこの村とはまだ呼べないほどの集落に辿り着いた。


 そこにはある人間がいた。


 ただの人間……だが、あの手に握っているのはなんだ?とてつもないオーラを感じる。


 そんな我らにこの人間は肉を差し出して来た。


 たとえ人間といえど、今の我らに慈悲を分け与えるとは。

 我らはこの人間を主として忠誠を誓った。


 みるみると広がる領地に、見た事もない植物が青々として生い茂っているではないか?


 その内主は、多くのメスを従えた。

 流石は主である。


 そして1人のメスに主の子が宿った。


 また主の下に他国の商人が訪れてるようだ。

 主が作る植物は絶品だからな?


 休みなく良く働くものだ。

 今度は薬という液体か固体か……どちらにしても、主が作るその薬ってのを求めて足を運んでくる輩が後を絶たない。


 生を受けてから数百年、これまで見た事もない物がある。アレも主が作った物である。その名は科学と言ったな?


 他の者たちはどうだ?

 エルフにドワーフとドラゴン族、そして獣族。


 ふむ。良い仕事をしておる。


 酒造りに鍛治、建設……


 またこの村は豊かになっていく。


 主よ。

 たまには儂も構って欲しいものだ。

 最初は良く戯れあっていたではないか?


 主よ。



➖➖➖➖➖



「次の死人を呼べ」


「はっ。既に閻魔様の目の前にいらっしゃいます」


「そうか。コイツが詐欺師で被害者から闇討ちを喰らい死んだ奴か?」


「あー。閻魔様、それは次の死人データですね。」


「そっかそっか、ゴメン。じゃあコイツは何で死んだの?」


「新薬開発実験中に事故で死にました」


 死人データが記されている冊子に目を向けながら閻魔様と呼ばれる、まるでドラゴンと人間を掛け合わせたかのような巨漢がオレの目の前にいる。


 その横には、黒い尻尾を垂らしながらふたつの角を生やして、それはデーモンと人間の掛け合わせのような執事の姿をして立つ。


(なんかオレ、死んだことになってる)


「製薬会社に薬学研究者として勤めてた…うん。この時点で人類貢献は高いから天国だね。個室って今空いてたっけ?」


「空いてますが、新薬開発実験中に事故を起こしてしまう新薬ですよ?そんなもの市場に出回ったらむしろ、人類滅亡の危機かと思いますが?」


「うん!じゃあ地獄だね?休憩無し灼熱地獄に送ってあげて」


「閻魔様!12周目の魂で最良模範魂の認定を受けておりますが?ちなみに、歴代魂データによると、蒸気機関を開発して世界に産業革命をもたらしているとここにありますが?」


「えっ?そんな人界に大影響を与えしまった魂なの?じゃあ天国だね?うん、ベッド付きエアコン装備の個室に無料Wi-Fi完備に、それとスマホにハイスペックノートPC与えて上げよっか?それと美女執事も希望すれば与えちゃおっか?」


「閻魔様!天国魂送すると人界人口がまた減少してしまいますが?この前神様に怒られたばかりではないですか!」


「あっゴメン!じゃあ天国か人間転生だね?どっちが良いかな?」


「閻魔様、本人に聞いてみては?」


「あっそうだね。天国と転生どっちがいい?つか、何か申し開きはある?」


 今の状況を色々と把握したいところではあるが…


(天国でのんびりスローライフは魅力的だけど、また人間として生を受けて、誰もオレを知らない世界でずっと憧れていた農家スローライフに挑戦してみたい気もする。欲を言えば、資源豊かな山や水源があったら)


 少なからず、人類の願いを叶えて来たーー


 いや、それが意図に反した方向となっていたとしてもだ、やはり神の分類に類いするだけあって地獄耳だという事をオレはこれから実感するのだが。


 オレは閻魔様と呼ばれる巨漢とその執事の前で、ふと断片的ではあったが死に至ったその前の記憶を巡った。


 このオレ、相馬ソウマ 直文ナオフミ は薬学部専攻し後に大手製薬会社の薬学研究員として務めてきた。簡単にいうと、薬剤師の国家資格を取得してその名の通り、新薬開発や既成薬の再調合や改良を目的とする研究員だった。


 それが、新薬開発実験中に事故で死んでしまったという事は理解した。

 身に覚えはある。

 新薬開発事故で死んだとなれば、薬学研究員としての名も泣くほど情けない。


 死の直前の記憶を巡らせて断片と断片を繋ぎ合わせている束の間、巨漢から発せられた言葉が耳に木霊する。


 オレの選択はこの2人を安堵させたかは分からないが、巨漢の唇は斜めに傾けられニヤリと笑みを溢していた。


「そう、転生を選ぶんだ?農家スローライフ…そうだねー?薬学研究者だったからね?じゃあ、万能農具と錬金術を付与して上げて?錬金術のスキルがあればきっと君の経験を大いに活かす事が出来るよ?」


「閻魔様!では、記憶の初期化申請は行わずという方向で宜しいですか?」


「うん!そうだね。何か問題ある?」


「いえ!問題は無いのですが…強いて言うなれば、転生先。でしょうか?薬学研究者といっても一介のサラリーマン。このまま現世に魂送しても人間関係やら上下関係でさらに心身喪失が懸念されますし、それに現世ではもはや万能農具は必要無いかと存じますが?」


「いやー、流石だね?キミを僕の執事に抜擢したのは正解だよね?うん!じゃあ、現世よりもはるかに文明が遅れてる人界にでも魂送しようか?だったら大丈夫なんじゃない?つか、もうそろそろ次の死人さん来るでしょ?早く処理しちゃってよ!」


「かしこまりました。では、相馬 直文 様に命じます。これより人界魂送を行います。貴方に与えられし万能農具とスキル錬金術を持って、魂歴13周目を全うしなさい。したがって、前世での記憶は貴方に依存し続けます。また、魂送先は総合的判断の上別世に。人的物理的蓄積ストレス軽減を目的として、中立地帯に属する人里離れた資源豊かな山中に魂送致します。それでは…お行きなさい!」


「言い忘れましたが、そう簡単に死なれては仕事が増えるだけなので、健康で丈夫な体で長生き設定で行ってもらいます」




◆◆◆

プロット無しの勢いだけで書いてみました。

異世界行くならこんなんが良いよね?感だけです!

どこまで行くのか、どこまで行けるのか筆者自身も分かりませんが、とりあえず勢いで書き続けます!

応援宜しくお願い致します。


ちなみにですが、現在カクヨムコン9開催中となりますが、運営の配慮もあってコンクール応募作品にフォローや評価をするとユーザーに対しても恩恵があるよといったサービスが始まっております。


こう言ってはなんなんですが、本当にこの作品を好きになって頂いて、読みたいと思って頂いた読者さんに私は、フォローや評価を頂きたいなと思っております。


ここまで読んで頂いた事については有り難く思っておりますが、今一度、もしフォローや評価をしても良いかな?と思った読者さん、忖度で付けてはいなか?を問うて頂きたいなと思っている次第であります。


これを踏まえて頂きまして、楽しんで次回話に進んで欲しいです。

今後とも応援宜しくお願いします。

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