知らなくていいよ

Asahi-Yuhi

俺がイルカラ__。

 俺は君の後を着けている。


 君の怖がる顔も可愛いね。


 俺が助けるから、俺を信頼してくれる。


 俺が君をどれだけ愛しているのか知らないで。


ーー


 俺と君は、ペアを組んでいる。


 ネットで知り合った人だったけど、同じ夢を目指していた。


 一緒に夢を目指すために協力をして、助け合うところから始まった。


 まずは、君が嫌だと言っていた家から出してあげて、同棲を始めた。


 そして、君がずっと虐めを受けていた学校からも離した。


 そうそう、家では虐待されていたんだっけ?


 学校の友達に怪我を負わされて一週間入院したときもあったね。


 俺は最初は仲の良い親友くらいに思っていたのにさ。


 君が俺をいつも頼るから。


 知らない間に情が芽生えていたんだ。


 好きだよって言って、友達という偽りの関係でごまかして。


──俺は君の全てを知りたくなってしまったんだ。


 君を狙う奴らからは、守って。


 俺だけしか見れないようにするんだ。


── 一生、そばにイルカラね?


ーー


 あーあ、まただ。


 君が絡まれている。


 俺は助けてあげるから、俺を見てね。


「大丈夫?」


「あっ、ありがとっ」


 君のホッとしたその顔。


 さっきまでの泣きそうな顔も良かったな。


 まぁ、泣いている顔がイチバン可愛いけどね?


「失せろ」


 君に絡んでいた汚れたやつにボソッと耳打ちした。


 そいつは、舌打ちをしてこの場から立ち去った。


 俺が演技通りに動いてくれた。


 君は安堵した表情で俺に抱きついてくる。


 やっぱり、俺しか頼れないね。


「ねぇ、怖かったら、俺の部屋に止まる?」


「うんっ。ありがと」


 君は俺を信頼しきった綺麗な瞳で俺を見る。


ーー


 俺は君を寝かせたあと、いつもの習慣をする。


 君には見えないところにある部屋に行き、取り敢えず君の家の様子を見た。


 あぁ、いつもと変わらないな。


 俺の部屋には君の写真がいっぱい。


 こんなこと、君が知ったら意味ないでしょ?


 だから、これは一生秘密。


 俺は、君が俺に墜ちるまで待ってあげるから。


 俺がずっとそばにいるよ。


 墜ちるときは一瞬だからね?


 俺は君の眠った顔に口付けをして、君の隣で眠る。


 一生、離さない。


 俺の素を知ったら君はどう思うのかな?


 だから、君にはこの心は絶対に教えない。


 全部、俺の秘密だから。

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