第2話 【邂逅Ⅱ】
あの日以来、行けなかったけど、今日は入学式、ネクタイ、ビシッと締めて、気持ち切り替えて、行くぞー!!
でもあの蝙蝠男が言ってた、あれは、なんだったんだろう、めっちゃ気になるけど…どの報道も事故だって言ってたし…きっと気のせいだよな、なんかと聞き間違えたんだよ、そういうことにしよーっとw
<あっ!花だ…亡くなったんだ…何も出来なかったんだ、手を合わせるくらいしないと…>
不適に見つめる視線、黒いスーツの2人の男たち
それを見流し颯爽と歩いていく、サングラスの男
(キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン)
『こんにちは、黒板の紙に書いてある机に座っててくださいねー、抜け出したりとかしないでくださいねー』
「こんにちはー、分かりましたー」
<ちょっと早く着きすぎたな…って、アレ、白い革のリュックがある、もう誰か居るんだ、早いなー>
<ゾロゾロ来た…>
『えー、もう人いるじゃーん』『早いなー』『それなーそれなー』『ざわざわざわざわ』『ざわざわざわざわ』
『よろしく!』「こちらこそよろしくねー」
<アレー、白いリュックの人戻ってこないなー>
『林田先生、伊川くんは?』『えー!?まだなんですか!?』『まぁリュックはありますから、登校はしてるんでしょうけど…』『調べてくると言って、出てったんですけど…』『出したんですか!?』『お恥ずかしながら、言い負かされてしまいまして…』
<嘘でしょ~、マジで…あと20分だよ…>
カツッカツッカツッカツッ
<ヒール?>
ガラガラガラガラ
[以外と掛かったな…]
<えーーーーーーーー!蝙蝠!?>
『ちょっと伊川くん、遅いですよ』
[そうか。校舎が広く長く全てを見るのに時間が掛かってしまった、申し訳ない、それが何か?]
『それがって、君ねー、伝えることもやることもありますから、30分前には戻るように言いましたよね?』
[あぁ、そういえば言われた気はするな…だが守るとは言っていない、それに私にとって、その時間を守るよりも校舎の調査、教室の配置、AEDの場所の確認の方が優先された、それだけのことだ。]
『はい、そうですかってなるわけないでしょー』
[こう、駄弁る時間こそ、時間の無駄だと思いますよ、皆への式の説明を優先させるべきでは?]
<こいつ、ヤバ~、のらりくらりと、しかもめっちゃ偉そう…でも、あれ聞けるかも>
<どう話しかけるか考えすぎて、式のこと、覚えてねぇ…ヤバい……あっ!蝙蝠は?…………居ない、もう帰ったか…>
後に定時制の語り草となる、事件の当事者の邂逅は、悲劇か、それとも喜劇か……まだ、誰も知らない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます