140#1

ninotsugi

第1話

ぽつり、額に弾ける雨ひとつ。今さっきまでからりと晴れていたのが嘘みたいに後から後から雨粒が降ってくる。ふ、と息が漏れる。さっきまで晴れてたんじゃなく、ずっと俯いて空を見上げていなかったことに気づいたから。君は今どこにいるのかな、どう思っていたのかな。もう聞くことはできないけれど。

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