第11話 マサシのマはMのマ!

拉致された俺は車で攫われて、目隠しと猿轡をされている。

車から下ろされて、何処かを歩いてエレベーターに乗った所だ!


「大人しくするのよサダ君、もうすぐ大人の階段を登れるからね」

先生の言葉にツムギが突っ込む!

「先生、今乗っているのはエレベーターですけど?」

そこにヒカリが話に混ざる。


「全く、親が仏教だと何も教えないのね」

「何よヒカリちゃん?私変な事を言った?」

「耳貸して、良いツムギちゃん、ゴニョゴニョ・・・よ分かった」

真っ赤な顔のツムギちゃん。


「そうよね昨日の事をすっかり忘れていたわよ、私も今日こそ大人の階段を登るのね!」

ツムギは拳を握り宣言する。


「ハイハイ着いたわよ、降りて降りて」

先生に手を引かれてエレベーターを降りると、俺には分からないけど皆んな感想を言っている。


「凄い、綺麗なところよ」

「何で扉が2個しか無いんですか?」

「こんな所に住めるのねシルバーの探索者さんは!」

「は〜羨ましい、高額所得者様はね」

「ハイハイいいからこっちから入るわよ」

先生に扉を開かれて中に入りやっと猿轡と目隠しを外される。


「何でこんな事されるんです!」

「防犯のためよ! 教え子がストーカーにならない為にね!」

俺がストーカーに?


「先生これから大人になるんですから、その心配は無いんじゃ無いですか?」

「あゝそうだった、これからそうなるなら下のエントランスで正座させて待たさせればよかったか!」

「先生もサダ君の性格は分かっているんですね?」

「えぇ、大体ね」

何だ俺の性格って?


「名は体を表す、的確な言葉よ! マサシのマは英語でMよ!マゾのマよね!」

「「「「正解」」」」

何が正解だよ、そんな事は無いぞ!


「フフフ4人の秘密の共有を、先生が5人目になったのね」

「仕方ないか、あれは分かるものね」

「一昨日の縛りプレイ、サダ君は全然抵抗をしないもんね」

「昔からそうよ、その次を喜んで待っていたもん!」

貴様ら何を言っているんだ! 抵抗できない様に縛っておいて!


「まぁともかくは、探索者になる為の心構えと、これからの事よ!」

先生は丁寧に、探索者制度を説明してくれる。


皆んな納得!俺は少し不満!


「何故に俺だけ個人的な報酬を貰えないんだ!」

俺には、自由になるお金が貰えない。


「説明が分からなかった?キチンと揉めない様に説明したはずよ!」

先生の言葉に、女生徒共が縦に首を振る。


「的確よね」

「そうそう」

「それで文句を言うなんてね」

「サダ君は何が不満なの?」

最後にアオイが俺に聞いて来る。


それは誰が聞いても、俺の報酬が可笑しいと思うぞお前達!



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