さんざんな俺らの魔王討伐記

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プロローグ

プロローグ

 

「いや〜マジどうしよ。」

 魔王が世界に現れてから700年。世代交代が最低でも7回は行われる年月だ。

「マジで人いなさすぎやろーっ!」

 人間たちは安住を得るために勇者パーティを作り、何百年もの間魔族と戦い続けてきた。だが、魔族も安住を得るために終わりなき戦いを続けていた。

「マジでどうなっとると⁉︎経験値全然溜まらんのやけど‼︎」

 よく見るRPGの世界だ。経験値によってレベルが上がり、それによって強くなるお決まりのルールだ。

 目の前にはチリとなって消えていくモンスターの姿があったが、経験値は3と出ていた。

「こういう便利スキルじゃなくて俺が欲しいのはもっとこう、派手なやつよ。爆炎が噴き出るとか、雷が落ちるとか、とにかくそういうのなんだよ‼︎」

 世界には数多なるスキルがあり、戦闘術と魔法に大別される。戦闘術は主に人間の使うものであり、体術を活かしたものが多い。逆に魔法は主にモンスターや魔族が使い、幻術や呪いの類もある。人間が使うには多くの鍛錬を積むか、保って生まれるものがほとんどである。ちなみに彼の今使っているスキル、“冒険者”は魔法ではあるが、“勇者”の肩書きを持つもの全員が使えるジョブスキルである。

「スキルも相変わらず習得しねえし、パーティの人数も集まらない。どうすればいいんだ……。」

 彼は頭を悩ませる。この物語は、彼と彼の元に集まった変人たちの散々な魔王討伐記である。

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