危機一髪
田村隆
第1話
イルミネーションで輝いている外とは隔絶された薄暗い部屋の中を多くの銃弾が行き交い
多くの荒い息遣いが蔓延する。
そこは、現実と夢想が融合した不思議な景色だった。
その狭い部屋の中で一人の男の生命が冥府へ行こうとしていた。
「ここまでか・・・・」
男は絶望と共にこれで暴力と銃弾の世界から逃れられるという静かな希望とも言える不思議な感覚に満たされようとしていた。しかし
「まだ、任務は終わっていないぞ・・・・。あの起爆装置を止めない限り私たちの任務は終わらないぞ!!!」
隣で隊長の怒鳴り声が男を現実に戻す。
銃で撃たれた腹に痛み感じる。
男はおそるおそる自分の腹は真っ赤な血が池のごとく溜まり止まりそうもない。
男の首筋に、死に神のかまが撫でられるように感じる。
(俺もここまでか・・・。しかし、任務を放り出して死ぬ理由にはいかない・・・・)
「隊長、俺はここまでです・・・・。起爆装置は俺が破壊します。隊長は撤退をしてください・・・・」
男は良き絶え絶えに言うと隊長は怒ったように
「部下を残して行けるか。それに起爆装置を止めようとしている時に、敵が突撃して来たら我々の作戦は失敗に終わる。」
「しかし、隊長まで死ぬことはないです。ここは、俺の最期の仕事です・・・」
男は、隊長に向かって大声で反論する。
「わかった・・・。ここは、お前に任せよう。しかし、敵の反撃を一時的に止めさせてくれ・・・・」
言うと、隊長は弾が無くったマガジンを外すと新しいのに変えた。
「私は、これより敵の攻撃を一時的に止めたのち撤退する。残りの者は私の後に続け・・・・」
隊長は、敵の攻撃が終えるのを見計らい攻撃を仕掛けた。
男は起爆装置の前に来ると、最後の力を振り絞り装置の解体を始めた。
「バン!!!!!」
大きな音が響き渡り周りの者が驚くのが見えた。
「今日は、余の誕生日を祝ってくれたことを感謝する。」
恰幅の良い男は、周りにいる男女に笑顔を見せ答える。
祝砲を上げた大砲はその役目を終え衛兵よりしまわれる。
「それにしても、陛下この前の反乱軍による暗殺事件未遂に終わりよかったですね。」
王様に次ぎ従い宰相が言うと
「まったくだ。うちには優秀な部隊がいて助かるよ。」
「ここだけの話ですが、ここだけの話、暗殺は王様への反乱を企てる反乱軍を一層させるために行った偽装工作と言う話がありますが・・・」
宰相は意味ありげに王に問うた。
「ハハハそんな話があるのか・・・・・。それが本当なら君はどうする?」
恰幅の良い男は、ボーイを呼び飲み物を用意させ宰相に一つを渡しながら
「それより、これから、暗殺を未遂に終わらせ反乱軍を一層した隊長が来るが君も一つどうだね。彼には今後将軍になってもらうつもりだよ。」
宰相は意味ありげに笑いながら
「いいですね。それより、陛下の暗殺の未遂と誕生日のお祝いを兼ねて乾杯しませんか?」
「いいねぇ・・・。では、乾杯」
と二人の男はにこやかに笑いながら乾杯をするのだった。
危機一髪 田村隆 @farm-taka
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