第14話 迷宮第二階層の突破に向けて①:事前準備
異世界転移できるらしいけど、お前らどうする?
719:1 ID:oThErwOrlDy
お前ら教えて
凝集剤ってスライム系の魔物に効くんだっけ?
720:名無しの冒険者 ID:********
生きとったんかワレ!
721:名無しの冒険者 ID:********
まだ続いてて草
異世界設定みんな好きやね
723:名無しの冒険者 ID:********
イッチ待ってたで
可愛い奴隷ちゃんの写真はよ
725:名無しの冒険者 ID:********
>>719
ワンチャンあると思うよ
凝集剤は、液体中の微細な固体粒子やコロイド上の物質を集めて大きな塊(フロック)にして、沈降や分離を促進させるための薬品だから
スライムの体組成によっては致命的に効く
人間で例えたら、臓器が全部潰れて沈む感じじゃないかな
727:1 ID:oThErwOrlDy
>>725
結構エグいな
倒すのにどれぐらい要るんだろう
728:名無しの冒険者 ID:********
ナメクジに塩かけるみたいなノリだなw
730:名無しの冒険者 ID:********
スライムなら熱湯ぶっかけるほうが手軽でいいんじゃね
お湯を湧かすだけだし、もし仮にスライムの主要臓器がたんぱく質で出来ているなら40℃超えたら変成して戻らなくなるし
733:名無しの冒険者 ID:********
スライム退治に凝集剤は盲点だったわ
でも廃水凝集剤って調べたら、1袋(1kg)で数千円程度なんやね
1L当たり2gとかでいいから、1kgあったら500L程度
お風呂一杯分のデカさまでなら1袋で凝集できる
735:名無しの冒険者 ID:********
そもそも異世界でスライムって強いんか?
ゲームではクソザコのイメージしかない
737:1 ID:oThErwOrlDy
>>728 俺も思った
>>730 熱湯試した人がいるらしいが駄目だったって
>>733 大きさ的には人間等身大の三倍程度だってさ 10袋~20袋ぐらいかな
>>735 正確にはケルピーっていう魔物らしい
738:名無しの冒険者 ID:********
ケルピーとスライムは全然違うんだが(怒)
ケルピーはスコットランド地方の水辺に住み、主に馬の姿をしていると伝わる想像上の生き物やぞ
一方、スライムはウーズとかブロブとか言われて、粘液状あるいはゼリー状の体を持った架空の怪物や
そういう大事なことは早く言え
739:1 ID:oThErwOrlDy
なんかごめん……
◇◇◇
「20袋? それぐらいなら荷車で運んでいけそうだな!」
「そうだな。私も手伝えるから、念には念をということで、倍ぐらいなら運べるだろう」
元気いっぱいのカトレアと、ちょっと張り合おうと口を出してきたゾーヤの言葉で、いきなり凝集剤の運搬問題は解決してしまった。元より『渡り鏡』があるので、迷宮第二階層まで運ぶのは簡単なのだが、今回はパーシファエ嬢との会話で目立ってしまった。
目立ってしまった以上、鏡を使うわけにはいかないので、正攻法で迷宮に挑むことになる。
「まあ、今日明日で挑むわけじゃないんだ。しばらくはゆっくり過ごすさ」
「……そうだな。
既に怪しまれているのだが、守るべき一線というものはある。何事にも建前は必要になってくるのだ。
一応、必要になる素材があるとかないとか、どれぐらい時間がかかるとかかからないとか、それっぽい嘘はいくらか用意した。本音を言うと、馬車一台分を用意できるなら金貨百枚、とパーシファエ嬢は言っていたが、業務用の凝集剤を10万円ぐらいポチるだけで達成できる。ここから鉛筆舐め舐めして、欲しい薬草素材とかに上手い事化かして、極端に怪しまれないように独自の調合レシピを考案しておいて、それに近づけて会計処理をする。金貨二十枚ぐらい素材費がかかる、ということにしておいて、素材調達は全部パーシファエ嬢におまかせすれば、まあ、時間稼ぎにもなるし、それらしい信憑性も出るだろう。
こういう化学技術の差を活かした行商は、濡れ手に粟でもあるが、第三者から突っ込まれた時に信憑性のある回答を用意しづらいというリスクもあった。水を浄水できるかも、という軽い気持ちで首を突っ込んだだけでこんな一大事になるのだから、あれこれ考えなしに持ち込むのは危険極まりない。やはり工芸品が安全かもしれない。
「…………」
カトレアはうずうずした目で俺を見ていた。彼女の手にあるのは、最近手に入れた大容量リュック、Karmirror(カーミラー) tomcat65(トムキャット65)である。重量が1,280gとかなり軽量な仕上がりのリュックなのに、何と65Lも入るという非常に利便性の高いリュックとなっている。色んなキャンプギアを突っ込んで運ぶことが出来て、数泊なら余裕でこなせるだろう。
この世界における網籠とか麻袋とかの背嚢と比べたら、利便性は段違いである。
要するに、このKarmirror tomcat65を試したいのだろう。この便利で便利で仕方がないリュックに惚れ込んでしまっているようだった。どうもカトレアは、キャンプ沼に嵌りつつあるらしい。
「三か月後かな」
「えっ」
悲しそうな声が聞こえてきたが、あえて無視を決め込む。
ゾーヤも鷹揚に頷いて「そんなものだろう」と同意してくれた。
「その三か月後、情報収集を行いつつ、色んな準備を進めればよかろう。
「ああ、その予定だな」
「三か月で十分なのか?」
言外にゾーヤが仄めかしている内容は、もっと時間稼ぎしたほうがいいのではないか、というものだった。実際、そのあたりはパーシファエ嬢と要相談事項だと思われた。
もし迷宮第二階層が突破されて、第三階層まで開いたとしたら、またもう一度大規模な迷宮開拓が始まる。過去に『ミュノスの巣』が開拓されて、第一階層・第二階層と開拓領域が広がるに伴って、探索者たちが多く集まって、大規模な迷宮資源が採掘され、物流が盛んになって、経済活動が活発化したという実績がある。それと同じく、第三階層が開通すれば、経済的な影響は計り知れないほど大きいだろう。
地球史で例えるならゴールドラッシュだろうか。金の鉱脈が見つかったことで、人々が一攫千金を夢見て狂乱したかつての時代。それがこの街ミュノス・アノールに
共同出資と簡単に言ったが、要するに、俺は街全体を塗り替えてしまうような大博打を計画しているのだ。
「まあ、もっと時間は欲しいけどね。でもあんまりだらだらやる意味もないかなって」
「⋯⋯私が
「そうかもね」
しかし三か月以上時間をかけたところで、大差が出るような気はしない。
こんな大商いは滅多にない。だからといって、この大商いを美味しく捌けるノウハウがあるわけでもない。儲けの出そうな事業選定を熟練の商人アルバート氏と進めていくという、得難い貴重な経験を積ませてもらえるというだけで、それでよしとするのがいいだろう。
可能であれば、探索者ギルドの関係者に、ミュノス家までも抱き込んで、本格的な事業計画を練り上げる必要がありそうだった。
「にしても、パーシファエ嬢の目の輝きようといったら、凄まじかったな」
「……
「んー、あんまり名前は残したくないんだよなー」
面倒臭そうだしね、とぽろりと本音をこぼすと、ゾーヤから白い目で見られてしまった。
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