絶対絶命の状況にて
テリヤキサンド
絶対絶命の状況にて
やめておけばよかった
そう思ったのは今、体が落ちないように岩に必死にしがみついているから。
久々のまとまった休みを利用して、山登りにきたのだが、足を踏み外してしまい、今にも落ちそうな状況になってしまった。
山は人気が少なく、助けを呼んでも無駄。
木々が多く、道に人がいてもすぐには見つけられない状態。
そして、突如山の天候が変化しての強風が吹く。
態々、静かな自然を満喫したいと思い、選択した結果がこれだ。
段々と風の勢いも強くなる。
岩にしがみつく手も限界だ。
「あっ!」
ついに耐えきれなくなり、手は岩から離れ、体は後ろ向きに倒れる。
かなりの高さがあり、このまま地面に叩きつけられれば、最悪死。
もし、生き残ったとしても助けがくる確率は低く、生存確率はほぼない。
必死に手を岩に伸ばすがその手は届かない。
もう、だめかと思ったその瞬間。
目の前に影がさし、伸ばした手がガシッと握られる。
驚きながら、腕を掴んでいる人物を見ると逆光で顔は見えないが、山登りしているようには見えない軽装な装備で、腕や太ももが露出し、立派な筋肉が見える。
なぜ、俺の存在に気づいたのだろうかと思いつつ、この状況を見た気がする。
そして、目の前の男が気合いの声を上げる。
「ファイトーーーー!」
こ、これはもしや!
掴まれた手はがっしりと固定されており、足で踏ん張ればいける。
そして、それに続く言葉を発しながら、俺は足を岩にかけ、力いっぱい踏ん張る。
「イッパーーーーツ!」
2人の力と魔法の言葉が合わさり、無事に崖の上に引き上げられ、俺は助けてくれた男にお礼を言おうとすると、笑顔であるドリンクを渡される。
こ、これはまさか、タウリンなど配合されたあの
「リポビタン○ーーー!」
「という夢を見たんだ。」
「さっさと風邪治すんだな。
ちなみにこれは○オビタな。」
絶対絶命の状況にて テリヤキサンド @teriyaki02a
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