ジュン・クロムエルの冒険

序章

特務任務報告書

報告書宛先　グランドリバーサイド戦術最高司令

報告者所属　グランドリバーサイド戦術部門

報告者階級　特務エージェントA＋

報告者氏名　ジュン・クロムエル大佐

　注意、当記録の開封に関しては特務保護指令を最優先とし次に挙げる者に優先権を指定する。ロン・ゼリング、サユリ・アオサカ、ゲータ・サミュエル。

　此処に報告する内容は全て私自身の身に起こった事である。曖昧な記憶の部分はあるが出来るだけ事実に則しQIと共に実記録から構築した。現地王族、上級市民、様々な協力者の個人情報には配慮したつもりである。

　現地代表支持者として特にハーディナル王国第一王女マリーナの名を連ねる。第一継承順位であるマリーナ王女には生存に関する最大限の協力を得る事ができ、帰還に際しての最大なるファクターとしてここに記録するものである。

　また、現地ハーディナル王国騒乱に関して、最大武力を使用した事を事後報告とさせて頂くと共に、ハーディナル王国より最大限の賛辞とグランドリバーサイドとしての特別外交特権、外交施設の譲渡、個人としての貴族位を賜った事実をも伝えておく。

　私自身が失踪したとされる時期から数ヶ月の内に二十三名もの隊員達が行方不明となっていると聞いた。その者達全てが同様な事象に関わっているとは断言しないが少しでもこの報告が役に立つ事を願っている。