地平線

うり

地平線

地平線の上をあるく。

灰色の絶頂のように、ウブの心臓のように、君を愛せたらいいなと思う。

歩く速さで、君を知っていく。

面倒なことが嫌い、

だから君が嫌い、

なんて簡単な話ではなくて、君と僕の境界が、

君を手の届かないひとにしている。

僕が君である必要はなくて、君が誰である必要もない。

だから、とは言わないけれど、

それでも、君を愛する人はいるのだと、言えるだろうか。

僕と君の境界が、それは僕でなくてもいいと言う。

だから僕は、君を愛せないままでいる。

地平線の上を歩く、だけ。

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地平線 うり @dadada-chabashira

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