フロアーⅩⅢの心象/愛里篇

百十 光

第1話

「おはよぉございまぁす!」

 バイト先の居酒屋。

 カウンターで作業をしている店長に向かって、元気に挨拶。

「おうっ! おはようっ!」

 店長が威勢よく返してくれた。

 カウンター前を会釈しながら通過して、そのまま更衣室へ。

……今日、来れるのかなぁ。

 少し高めのテンションに、少しばかりの不安。

……なんだかんだで二週間ぶり。

 今日は、〈水香〉さんが復帰する日。出番が重なったのが、すごく嬉しい。

……体調、大丈夫かなぁ。

 水香さんの家の事情。

 そして、体調。

 店長から聞いてた。

……水香さんに負担は掛けられないよね!

 ロッカーを開けて、ショルダーバッグを中に仕舞った。

「頑張ろぉ!」

 声に出して意気込むと、【後藤愛里】の名札が付いた制服を手に取って着替え始めた。

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